よく分かる環境法 水質汚濁防止法

工場・事業場の排水規制 生物保全で亜鉛基準を強化

全国約30 万力所の工場・事業場に排水基準の順守を求める。
各地の産業や水の利用方法に合わせ、自治体が上乗せ規制を実施。
排水基準が強化され、特定の業種は対応に苦慮している。

水質減蜀防止法は、環境基本法が環境保全の政策目標として定めた「環境基準」を達成するために、工場・事
業場から公共用水域に排出される水に基準を設けて規制する法律である 1970年の「公害国会」で、水質保全法と工業排水規制法のいわゆる水質2法に代わって制定された。
工場・事業場の排水を規制する主な法律としてはもう1つ、下水道法かある。水濁法が公共用水域に流す排水を規制するのに対し、下水道法は下水処理場に接続している下水道に流す排水を規制する。下水処理場では、処理できない物質が流れ込むことを防ぐためだ。多くの工場・事業場では、生産工程の排水は処理をして公共用水域に、トイレや流しの生活排水は下水道に流しているため、この2つの法律の順守が求められる。

全国約30 万の事業場が対象

それでは水濁法の仕組みを見てみよう。規制対象となるのは政令で定められている「特定施設」を設置する工場・事業場( 特定事業場) である。特定施設には、排水を大劃こ出す施設を業種ごとに指定しており、約200種類に上る。代表的なものとしては、飲食店の厨房施設( 総床面積420m2以上の事業場) や、下水道終末処理施設( 下水処理場) などがある。 2006年3月末時点で、全国の特定事業場は29 万759 ヵ所に上る。

特定施設を設置する事業者には、施設の設置や構造変更、廃止などの際に届け出を義務づけている。そのほかにも、排水の水質を定期的に測定して言j ますることや、有害物質や油を含む水が公共用水域に漏れ出す事故があった場合、応急措置をして、事故の状況と措置の内容を届け出ることとしている。

また、異常渇水などで河川や湖沼の水位が下がると、排水が希釈されにくくなり水質が著しく悪化する恐れがある。そうした場合には排水量の抑制などについて知事の命令に従わなければならない。排水の出し方についも、排水口の位置などを考慮して適切な方法を採ることも義務づけている。

特定事業場に適用される排水規制には大きく2つある。1つはすべての特定事業場に適用される濃度規制である。人の健康に大きく影響するカドミウム、鉛、六価クロム、水銀などの物質については「健康項目」として27 項目、動植物や水の利用に影響する化学的酸素要求量( COD) や大腸菌群数、窒素、リンなどは「生活環境項目」として15 項目の基準値を定めている。

・ただし、規制対象の施設や物質を絞り込んでいる水濁法は、「全国一律に適用できる最低限のルールを定め
ているにすぎない」( 環境省水環境課の高橋う告課長補佐) 。実際には、地域ごとに地形や水の利用方法が異な
る上に、工場が集積していたり、地域特有の地場産業があったりといった特殊事訟こより、環境基準の達成
が難しいケースも少なくない。

そこで、水濁法では都道府県が条例でより厳しい上乗せ排水基準を設定できるようにしており、健康項目では半分以上、生活環境項目ではすべての都道府県力lf可らかの上乗せ基準を設けている。

そのほかにも生活環境項目の適用の裾切り基準を引き下げる「すそ下げ」を実施している自治体も少なくない。健康項目ほど有害性が高くない生活環境項目については、1日当たりの平均排水量が50m3 以上の特定事業場に限り適用するという裾切り基準がある。これに当てはまる特定事業場は全国で3万6543 ヵ所。ただし、例えば滋賀県のように、県の全域、全業種で同10m3 以上を規制対象とする自治体もある。

さらに、水濁法では規定されていない施設や項目を規制対象にする、いわゆる「横だし」をする自治体もある。宮城県では銭湯や日帰り温泉などの公瀬谷場施設を規制対象にしており、和歌山市では地場産業である紡績業の染色施設について排水の色や温度などを規制している。全国一律の排水基準だけを見ていると条例に違反する恐れがあるので注意が必要だ。
一方、水濁法では、池蜀が進みやすい閉鎖性海域を対象にした総量規制の制度も設けている。 総量規制の対象になるのは、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海の周辺の指定地域内で1 日当たりの平均排水量が50m3 以上の特定事業場。赤潮の原因になる富栄養化を防ぐため、生活環境項目の中のCOD と窒素、リンについては、排水の濃度と排水の量をかけた総量も規制している。

水質は徐々に改善

さらに89 年の改正では、地下水汚染の未然防止の規定が盛り込まれた。特定事業場は、健康項目の27 物質を
含む水を地下に浸透させることが禁じられており、万一、浸透した場合、健康被害の恐れがある時は、都道府
県知事が地下水のi釧ヒ措置を命令できる。

これに関連して知っておかなければならないのは、水濁法は「無過失責任」(19 ~20 条) を規定していることである。民法では「過失責任の原則」がうたわれている。だが、有害物質’が地下水や公共用水域に漏れ出した場合には、重大な健康被害を引き起こす恐れがある。そのため水濁法では例外的に、故意や過失でなくてもこのようにして生じた健康被害に対して、加害者である企業が賠イ賞責任を負うこととしている。同様の規定は大気汚染防止法にも定められている。

水濁法をはじめとした様々な取り組みによって、公共用水域の水質は徐々に改善している( 上のグラフ) 。
全国約9000 地点での測定結果では、有機汚濁の環境基準達成率は83.4 %(2005年度) で、河川の水質改善が目立つ。半面、水が入れ替わりにくい湖沼では依然として達成率利氏い。
そこで、06 年4月に施行された改正湖沼水質保全特別措置去では、内容力汰幅に強化されている。

もう一段の水質改善に向けて水濁法の排水基準も強化されている。代表的なのは生活環境項目の亜鉛だ。
従来はH 当たり5mgだったが、06年12 月施行の新基準は同2mgへと強化された。亜鉛の影響を受けやすい水生生物の保全には従来基準では不十分であり、既に多くの自治体で上乗せ基準力澱けられていたためだ。

ただ、中yjヽ零細企業が多いめっき業など10 業種には5年間の暫定基準(5mg) を認めた。規制強化と合わ
せて安価で効率的な水処理技術の開発が求められている。

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炭酸水を飲むと、胃腸の血管が刺激を受け、胃の粘膜を活発にしてくれます。 来省吾すぐに炭酸水を飲むことで便秘も解消され、老廃物の排出がスムーズになるといわれています。 ・炭酸水を食事の前に飲めば、炭酸ガスがいに入って胃の中で膨らみます。 そうすると、脳が「胃が膨らんでいる=食べ物がいに入っている=満腹」と錯覚が起こり、 食べる量を抑える効果があるといわれています。

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