よく分かる環境法 改正フロン回収・破壊法

回収の漏れを無くすため書面でフロンの行方追跡

07 年10 月、規制を強化した改正フロン回収破壊法が施行される。2002
年4月の施行以来、フロン類の回収率は30 %にとどまる。
そこで、回収状況を書面で管理する制度などを導入する。

フロン( フルオロカーボン) 類は、フッ素と炭素の化合物で、主にエアコンや冷蔵・冷凍庫の冷媒、精密部品の洗浄剤などとして広く使われてきた。

しかし、フロン類のうちCFC( クロロフルオロカーボン) やHCFC( 八イドロクロロフルオロカーボン) は、オゾン層を破壊するため、モントリオール議定書で生産・輸入を禁止された。さらに、オゾン層を破壊しない代替フロンとして開発されたHFC(ハイドロフルオロカーボン) は、温室効果力塙いものでC02の1万倍以上になるため、京都議定書の削減対象物質になっている。
国内では、フロン類の大気への放出を防ぐため、下の図のように4つの法律などで規制している。

現状の回収率は30 % どまり

オゾン層保護法でフロン類を段階的に廃止するのに加え、既に使用されているフロン類については、リサイクル法の規制対象にしている。家庭用のエアコンや冷蔵庫については家電リサイクル法で、カーエアコンは自動車リサイクル法で、それぞれ回収・破壊の仕組みを作っている。

フロン・回収破壊法( 特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律) は、業務用のエアコンや冷凍・冷蔵庫に含まれるフロン類を回収・破壊する目的で2002年4月に施行された。フロン類を含む機器の所有者は、廃棄時にフロン類回収業者( 都道府県知事の登録) に回収を、フロン類破壊業者( 経済産業大臣・環境大臣の許可業者) に破壊を依頼しなければならない。

ところが、現在のフロン類の回収率は、32%(2005 年度) にとどまっている。機器を廃棄する際にフロン類がきちんと回収・破壊されたのかを把握する仕組みが無かったのが主な原因だ。

建物の解体時にフロン類が回収されたのかを確認しないまま工事を実施して機器の所在がわからなくなってしまったり、機器の整備時に出るフロン類の取り扱いが明確でなく、きちんと回収されなかったりするケースが多かった。
今回の改正では、こうした制度の漏れを無くし、フロン類の回収率を60% まで高めることを目標にしている。目標が100 %でないのは、技術的に完全な回収が難しいのと、機器の行方を100 %把握するのは難しいとみているからだ。

具体的には、以下の5つがポイントになる。
① 行程管理制度の導入
② 建物解体時の確認
③整備時の回収義務の明確化
④機器をリサイクルする場合の回収の義務づけ
⑤ 機器を廃棄する事業者などへの自治体の指導強化

解体時には請負業者が確認

最も大きな改正点は、エアコンなどの機器を廃棄する際、それらの機器に含まれるフロン類がきちんと回収されるように書面で管理する行程管理制度の導入だ( 法第19 条の3、第20 条の2)。

具体的には、右の図のように、所有者が機器を廃棄する際に、フロン類回収業者に「回収依頼書」を交付し、その写しを3年間保存する。 書面には、交付年月日や機器の廃棄場所、回収業者の登録番号などを記載する。
それと同時に、フロン類回収業者から「引取証明書」を受け取り、これも3年間保存しなければならない。

ただ、所有者が直接、フロン類回収業者に依頼するとは限らず、工事を実施する設備業者や解体業者、廃棄物剱哩業者などが代行するケースも多い。その場合は、「委託確認書」の交付によって確認する。フロン類回収業者委託確認書を、所有者と代行した業者の双方が写しを3年間保存することが義務づけられる。

さらに、建物解体時は廃棄する機器の所在があやふやになりやすい。このため、解体工事を請け負う工事業者に、フロン類を含む機器の有無の確認と、「事前確認書」による工事発注者への説明を義務づける( 法第19条の2)。解体には、リフォームも含まれる。

機器を整備する際にフロン類をどのように取り扱うかが不明確だったことも、回収率を下げる要因の一つだった。これまでは、「機器を廃棄する場合」だけしか、法律は想定していなかった。そこで、廃棄する時だけでなく、整備する際の規定を明確にした。フロン類を一時的に抜き取るだけでも、フロン類回収業者に委託するか、整備事業者がフロン類回収業者の登録をしていなければならない( 法第9条、第18 条の2)。

機器をリサイクルする場合も同様に、フロン類回収業者とフロン類破壊業者への委託を義務づけた( 法第2条第5項) 。 回収依頼書や回収証明書、委託確認書などのやり取りが必要になる。

最後に、機器の所有者にも都道府県の監視の目を行き届かせるようにしたのもポイントだ。 これまでは、フロン類回収業者だけが指導の対象だったが、機器を廃棄する所有者への立ち入り検査や指導、助言、勧告、命令などの措置を規定した。

ただ、今回の改正でもフロン類の回収は万全とはいえない。例えば、リユース名目で引き取られた機器がリサイクルに回された場合には、行方を確認できないからだ。廃棄する機器の所有者が、信頼できる業者に委託するかどうかに、フロン類の回収率の向上はかかっている。

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