よく分かる環境法 改正自動車NOX・PM法

ピンポイントで対策を強化ホテルの新設に届け出義務

自動車NOX・PM 法の改正案が今国会で審議されている。
大気汚染が特に深刻な交差点などに狙いを定めて対策を強化。
ホテルや劇場を新設する事業者は届け出を義務づけられる。

「自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法(自動車NOX・PM 法)」の改正案が07年3月に閣議決定され、今国会に提出された。成立すれば、公布後1年以内に施行される。

自動車NOX・PM 法は、窒素酸化物( NOX) や粒子状物質( PM) による大気汚染が著しい都市部で大気環境の改善を目指すもの。首都圏、愛知・三重圏、大阪・兵庫圏にある約250の市町村を「対策地1或」に指定し、各都道府県力椎十画的にNOXとPM の排出総量を削減してきた。

具体的には、排出基準を満たしていないトラックやバス、ディーゼル乗用車の使用を禁じる「車種規制」を設けたほか、自動車を30 台以上使用する事業者に排出抑制対策を盛り込んだ「自動車使用管理計画」の作成・提出を義務づけている。

対策膨或において、2010 年度までに二酸化窒素と浮遊粒子状物質の大気環境基準をおおむね達成することを目標としており、2002 年に施行してから大気環境は着実に改善している。とはいえ、自動車交通量の多い一部の交差点などでは長い間、基準を達成できていない。 2005 年度における二酸化窒素の測定状況を見ると、千葉県や愛知県、大阪府などでは、基準を達成している自動車排出ガス測定局の比率が全体の90 % 以上と高い一方で、東京都は57.9%にとどまる。

こうした局地的な汚染が課題となっており、その要因に挙がっているのが、現行法の車種規制が適用されない対策地域外からの流入車だ。首都圏では、全体の10 %程度が流人車とみられており、首都高速都尾ヽ環状線では、通過車両のうち対策地域外に使用の本拠地がある流入車が62 %を占めるとの報告もある。そこで、今回の改正では、「局地汚染対策」と「流入車対策」の2つを柱に、一定規模以上の事業者に新たな義務を課した。

建物の新設による渋滞を抑制

まず、局地汚染対策としては、現行法で指定されている対策地域内でも、特に大気汚染が深刻になっている交差点などを、都道府県知事が「重点対策地区」に指定し、対策を豊屯的に実施する( 第15 条~第18 条) 。例えば東京都の環状7号線には、ほかの幹線道路とぶつかっている大和町や上賜など交通量の多いことで知られる交差点があり、こうした場所が候補に挙がりそうだ。重点対策地区では、排ガスが滞留しないように周辺のビルを移動させて空間を開放する、貨物の積み降ろしをする荷さばき場を設ける、右折レーンを整備して渋滞を抑制するといった対策計画を策定・実行する。

既存の対策地域が政令で指定されているのに対して、重点対策地区は都道府県知事の判断で柔軟に決められる。
さらに、交通量を増加させそうな建物を重点対策地区内に新設する事業者には、排出量を抑制するための配慮事項などを都道府県知事へ届け出るように義務づける( 第20 条、第24条~ 第26 条、第28 条)。想定外の建物ができると、せっかく作った計画を狂わせかねないからだ。

義務づけ対象になる事業者は、NOXとPM の排出量を予測し、駐車場の出入り口を大通りに面していないところへ設置して渋滞の発生を防いだり、シャトルバスを運行して公共交通機関の利用を促したりするといった配慮を求められる。届け出をしなかった事業者は20 万円以下の罰金を利せられる。

延べ床面積が一定規模以上のホテルや劇場、事務所などの建物が届け出の対象となる。より詳細な用途は政令で、延べ床面積は都道府県の条例で定められる。スーパーや量販店といった小売店は、大規模小売店舗立地法で規制されているため対象になっていない。

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