その他

核燃料サイクル

原子力発電所の使用済み核燃料を再処理し、ウランやプルトニウムなどの燃え残りの燃料を取り出して使うこと。
国の原子力委員会は、2005 年10 月に閣議決定した原子力大綱で、核燃料サイクルの推進を再確認した。これに基づき、06 年8 月には「原子力立国計画」を策定した。

原子力発電所で使うために加工されたウランは、3~4年使用する。使用済み核燃料には、燃え残った核分裂性のあるウランや、新たにできた核分裂性のあるプルトニウムなどが含まれる。これらを貯蔵後、再処理工場でウランやプルトニウムなどを分離、回収する。青森県六ヶ所村の再処理工場は、07 年から商業生産を開始した。

回収されたプルトニウムは、ウラン燃料と混ぜてMOX( 混合酸化物) 燃料に加工し、既存の原子力発電所で再利用できる。これをプルサーマルという。MOX燃料工場は12 年に操業開始の予定だ

放射性廃棄物

放射性廃棄物は放射能レベルによって、高レベルと低レベルの2つに分けられる。使用済みの核燃料や、それをリサイクル( 再処理) する際に出る廃液をガラスに閉じ込めたガラス固化体が高レベル、発電所内の設備や資材などが低レベルである。高レベルは、そばにいると20 秒で死に至ると言われる。そのため、ステンレスと粘土で覆い、300m より深い地層に埋める。

日本では高レベルのガラス固化体を青森県六ヶ所村の日本原燃の施設などで30 ~50 年間水で冷やしてから埋める。冷却は1995 年に始まり、2033 ~37 年ごろの処分開始が予定されている。

最終処分場は地上施設が1km 四方、地下施設が2~3km 四方と巨大で、立地決定までに文献・概要・精密調査の3 段階を経るため、調査をこの1~2 年以内に始める必要がある。07年1 月に高知県東洋町の田嶋祐起・前町長が調査に応募したが、同年4月の選挙で勝った深山保太郎町長が取り下げた。米国やフィンランドなどは既に処分地を決めている。

核融合

物質を構成する原子と原子が融合して質量の大きなほかの原子になること。その際に質量が小さくなる「質量欠損」が起こると、多大なエネルギーを放出する。そのエネルギーを利用する核融合発電の実用化が、国際的な共同研究によって進められている。フランスと日本などが中心となっているITER(国際熱核融合実験炉) だ。実証炉をフランスに、遠隔監視による研究センターを日本の青森県六ヶ所村に建設することが決まっている。

核エネルギーの利用では、質量の大きな原子が分裂する際に放出する核分裂エネルギーの利用については、順調に進んできた。ウランやプルトニウムが核分裂する際、エネルギーを瞬時に放出させる原子爆弾の実用化に続き、原子炉内で核分裂エネルギーの放出を制御する原子力発電が商用化した。しかし、水素と水素が融合する際に放出エネルギーを利用する水素爆弾は実用化したものの、平和利用である核融合炉の実用化は当初、考えていた以上に難しいことが分かってきた。

ITERでは、水素と水素の融合のなかでも、最も反応が起こりやすい重水素( 中性子を2つ持つ水素同位体)と三重水素( 中性子を3 つ持つ水素同位体)の融合を目指している。それでもプラス電荷を持つ原子核同士の反発力( クーロン斥力) を打ち破って核融合を持続的に引き起こすには約1 億℃の反応場が必要になる。こうした高温のプラズマ状態を閉じ込めておける材料は存在しないため、強力な磁場に閉じ込めておき、反応を制御しようとの試みを続けているが、強力な磁場の中で安定的に核融合を持続させることは簡単ではない。

核融合は、核分裂に比べて反応後に放射能のある核分裂生成物が出ず、燃料である重水素は海水に含まれるため、クリーンで事実上、無限なエネルギー源といわれる。ただ、三重水素を使った場合は、反応炉自体は放射化されるため、これによって放射性廃棄物が全くなくなるわけではない。

高速増殖炉

原子力発電の燃料であるウランには、自然界に2つの同位体( 原子核中の陽子数は同じでも中性子の数が異なる物質) が存在する。99.3%を占めるウラン238と0.7%に過ぎないウラン235 だ。このうち通常の原子力発電の炉内で核反応してエネルギーを出すのは、核分裂性のあるウラン235 だけだ。従って、原子炉内に設置するウラン燃料棒では、ウラン235 の割合を濃縮して3 ~4 %に高めている。

ただ、原子炉内では、核分裂によって放出された中性子の一部をウラン238 が吸収し、核分裂性のあるプルトニウム239 ができている。つまり、そのままでは核燃料にならないウラン238 が分裂性のある有用な燃料に変わっている。

そこで、より積極的にウラン238 からプルトニウム239を生み出し、ウランの利用効率を飛躍的に上げることを目指すのが高速増殖炉だ。

ウラン235 は中性子を1 つ吸収することで分裂し、その際に2 ~3 個の中性子を放出し、それをほかのウラン235 が吸収・分裂することで連鎖的に核反応が持続する。通常の原子炉では、同じ反応レベルを維持するため、余分に放出された中性子は、制御棒や原子炉の内壁などに吸収させている。高速増殖炉では、炉の周りにウラン238 の入った棒状の構造物( ブランケット)を配置しておき、中性子を吸収させることでプルトニウム239 に転換する。そして、使用済み核燃料再処理工場でブランケットからプルトニウムを回収して、高速増殖炉の燃料に使用する。高速増殖炉では、高濃度のプルトニウム燃料が使われるため、出力密度が通常の原子炉の数倍以上になるなど、安全な運転には技術課題も残っている。

このサイクルが完成すれば、天然ウランの利用効率が高まり、人類は1000 年単位でエネルギー源を確保できると言われる。日本では高速増殖炉の原型炉「もんじゅ」が建設され、1995 年8 月に送電に成功したが、同年12 月にナトリウム漏れ事故を起こして、運転は中断している。

プルサーマル

使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを取り出し、ウランと混ぜてMOX(Mi xed Oxide F ue1= 混合酸化物) 燃料を作り、通常の原子炉で使用すること。当初、東京電力と関西電力が1999 年から福島、高浜原子力発電所で国内電力各社の先陣を切って導入する計画だったが、原発の検査データの改さλ などの不祥事によって地元自治体の承認を得られず、いまだに実施できていない。
原子力発電所から出る使用済み核燃料の処理方法には、大きく2つある。核燃料棒のまま地下深くに埋設して地層処分するワンスルー方式と、再処理して燃料として使えるプルトニウムなどを取り出す再処理方式だ。米国は前者を採用している一方、フランスや英国、日本などは再処理方式を採用している。後者のように再処理で取り出したプルトニウムをプルサーマルなどに利用し、最終的に残った放射性廃棄物を地層処分する一連の流れを核燃料サイクル、もしくは原子燃料サイクルと呼ぶ。

再処理して取り出したプルトニウムを利用することは、ウランの節約になるほか、核不拡散の観点からも重要になっている。プルトニウムは原子爆弾の原料としても利用できる。同物資から出る放射線は、紙1 枚で容易に遮へいでき、テロリストなどが簡単に運搬できる。このためプルトニウムの取り出しと管理は、国際原子力機関(IAEA) が厳しく監視している。日本が、再処理によって取り出したプルトニウムをプルサーマルによって消費しないまま溜めこんでおくことは、核兵器開発を疑われ、核拡散のリスクを高めるため、国際的に非難されかねない。

プルサーマルは既にフランスやドイツなどで実施している。そもそもプルトニウムは、ウランの一部が中性子を吸収して生まれ、国内にある原子炉内でも核分裂してエネルギー源になっている。ただ、度重なる不祥事で電力会社への不信感が高まるなか、プルサーマル導入に向けた地元自治体との合意形成が整わないのが実情だ。

屋上緑化/壁面緑化

屋上緑化には、屋根に草などを植える薄層緑化と、草から低木まで植栽する屋上庭園の2 つの方法がある。薄層緑化は日差しによるビルの表面温度を下げる効果があるが、熱線反射( 遮熱) 塗料や、数㎜層の流水と散水の応用でも建物の表面温度は下がる。

一方、屋上庭園は公園や街路樹と同様な木陰を作り、建物の蓄熱を防ぐだけでなく、木陰の涼しい風を生み出す効果が期待できる。壁面緑化はツル性植物が中心だが、夏場はビルの熱を冷まし、冬の断熱効果もある。屋上緑化、壁面緑化ともに遮音性や防音性がある。

国土交通省の調査によると、2006 年に東京など都市部を中心に約25.5ha の屋上と3.6ha の壁面が緑化されている。特に進んでいるのは東京都で、屋上緑化面積は11.1ha と全体の40 %を占めた。2000 年以降の建物の緑化面積の累計は、屋上が160ha、壁面が10.1ha に達する。

東京都は06 年から丸の内などを「クールタウン」モデル地区に指定し、地区全体でヒートアイランド現象の要因となるコンクリートやアスファルトの蓄熱を抑えたい考えだ。モデル地区に丸の内(20ha) や有楽町(12ha) 、大崎駅西口(9ha) 、西新宿(6ha) の4カ所を指定し、ビルの屋上や壁面の緑化や保水性舗装などの効果を検討している。

屋上緑化の主な課題は防水性の確保と植栽の荷重、メンテナンスの3 点だ。一般にコンクリート建築の屋上緑化はアスファルト防水などの処理を施すが、雨漏りした場合に水漏れ個所を探すのが難しい。植物の根が防水シートなどを破ると水漏れの原因になるため防根層が必要になる。植栽の維持に必要な水の重量は意外に重く、建物の強度が求められる。

これまで屋上緑化によく使用されてきたセダム(多肉植物) の薄層緑化は軽量で枯れにくいなどの札白lが評価されてきた。しかし、日中の蒸散作用が極めて少なく、「ヒートアイランド対策」の効果を疑問視する意見もある。

ケナフ

アサの一種。成長がほかの植物に比べて早いため、空気中のC02を生体内に炭素の形で固定する能力が高い。木材に代わって紙の原料にも使えるので、森林保護に役立つと注目を集めた。
3~6ヵ月で太さ3 ~5cm、高さ3~4mに成長する。ケナフの光合成能力は、コナラやイチョウといった温帯木に比べて3 ~10 倍も高い。さらにケナフは1ha当たり30 万~50 万本と密集して植えることが可能で、熱帯や亜熱帯の地域では年に2 ~3 回栽培ができる。

製紙業界は、ケナフの収穫時期が限られ安定した供給が見込めないことや、紙の原料になる繊維が木材よりも少なく、廃棄物が多くなってしまうなどの課題を挙吠必ずしも最適な材料とはいえないとの姿勢を取っている。
ケナフは、表皮のすぐ下にじん皮部があり、その下にある木質部が全体の約7 割を占める。じん皮部は繊維が長く丈夫なため、縄や袋、コーヒーフィルターなどに使用される。木質部は比重0.7 と軽く紙には適していないため、じん皮部と合わせてパルプ化し、和紙の風合いを持つ紙ができる。印刷用紙、ティッシュペーパー、紙コップなどに使う。

2004 年9 月、NECはケナフ繊維をトウモロコシなどのデンプンを原料とするポリ乳酸と混ぜた「ケナフ繊維強化バイオプラスチック」を開発し、パソコンのきょう体に採用した。ケナフ繊維の量を15%加えた段階で、その曲げにくさは電子機器の外装向けABS樹脂、ポリカーボネート樹脂( いずれも20 %ガラス繊維強化品) を上回る。20 %混ぜると、材料の曲げにくさを現す曲げ弾性率は約7 割も向上し、耐熱性も67 ℃から120 ℃に向上した。06 年3 月には、柔軟剤などを添加して携帯電話にも搭載した。ケナフ繊維であれば、従来の代表的な強化材であるガラス繊維に比べて、価格を約5分の1 に抑えることができる。これまでのバイオプラスチックの課題で
あった、熱変形や割れやすさを解消する材料としても注目を集めている。

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