経営・企業活動Ⅲ

環境ラペル

環境に配慮した製品やサービスに付けるマークやラベルの総称。製品や包装、説明書、広告などに使用して、消費者の購入を促す。
環境ラペルは次の3 つに区分される。
① 特定の基準を満たす製品を第三者認証機関が認証する「タイプI」
② 企業の自己宣言などによる「タイプH」
③LcAに基づく環境負荷の定量データを示す「タイプⅢ」
国際標準化機構(Is o) は、いずれのタイプも規格化をしている。

日本では、タイプ1 の「エコマーク」が、1989 年から日本環境協会により運用されている。2007 年9 月末時点で49 の商品類型があり、認定商品数は4726 件に上る。

02 年に始まったエコリーフラペルはタイプmだ。産業環境管理協会が運営する。プリンターやコピー機など53 の分類について、08 年1 月末までに415 製品、53事業者が登録している。

「省エネラペル」は、製品が国の定める省エネ基準の目標値(トップランナー基準) をどの程度達成しているかを表す。06年の省エネ法改正で統一省エネラペルを導人した。
世界各国に様々な環境ラペルがあり、その多くが国際的な世界環境ラベリングネットワーク(GEN) に加盟している。

国内では、タイプHが増え過ぎて問題になっている。環境ラペルが氾濫し、消費者が商品の比較をできないためだ。環境や安全面での信頼性も揺らいでいる。
数万あるといわれる独自基準に危機感を持った環境省は、08 年1 月に「環境表示ガイドライン」を公表した。ガイドラインでは、① 国際標準への準拠、あいまいな表現や主張の禁止、LCA関連の全環境側面を考慮、② 消費者にわかりやすい明確な表示、③ 第三者による認証基準がない場合は事業者団体が自主基準を設定  などを求めている。

エコマーク

日本環境協会が審査・認定する日本最大規模の環境ラペル。1989年に始まった。
環境ラペルとは、消費者が環境に配慮した製品を選ぶための目安になる表示のこと。環境ラペルには、Iso( 国際標準化機構) が規定する3つのタイプがある。

タイプI は第三者が認証するラペルで、日本では事実上、「エコマーク」を指丸タイプnは自己宣言型ラペルで、自社基準への適合を示すのに使われることが多い。タイプⅢは、製品の環境性能を定量的に表示するもので、製品のLcA( ライフサイクルアセスメント)データを公開する匯コリーフ」などがある。

エコマークは、製品やサービスがライフサイクル全体で環境負荷が少なく、環境保全に役立つ商品であることを表すマークだ。日本環境協会が商品分野ごとに定めた認定基準を満たすことが求められる。商品ごとに認定の申し込みをし、書類審査で認められれば、エコマークの使用契約を結べる。

リスクコミュニケーション

化学物質による環境リスクに関する正確な情報を、市民、事業者、行政、NGO( 非政府組織) などのステークホルダー( 利害関係者) が共有しつつ、相互に意思の疎通を図ること。例えば、企業が工場周辺の地域住民に対して、化学物質の漏洩や火災といった環境汚染や災害などのリスク情報を開示し、その予防策について説明することで、相互理解を進めるといった活動を指丸リスクコミュニケーションは企業にとって難しい分野で、地域住民から質問や意見が出ず、単なる説明会で終わってしまうケースがある。そこで、工場見学やビデオ上映会などを開いて参加者が基礎知識を身に付けた上で対話を進めるような配慮が必要となる。

定の要件を満たす工場は、排出する物質の種類と量を自治体に報告するPRTR( 環境汚染物質排出・移動登録) 制度の対象となっている。こうした具体的なデータをわかりやすく示すことも、信頼関係を築く上で重要である。

森林認証

独立した第三者機関が、森林管理をある基準と照合し、その基準を満たしているかどうかを評価・認証する制度を指す。代表的なものに世界で普及しているF SC( F orest St ew ard ship C ouncil 、森林管理協議会) とP E F C( P rogra m m e forthe E ndorse m ent of F orest C ertificat ionSche m es) 、日本のS GE C( 緑の循環認証会議) がある。いずれも森林生態系における多楡吐の維持や、希少種の保護などを求めている。

F SC では認証機関を通して森林を認証し、認証を受けた森林から出荷する木材や木材製品に対してF SC のロゴマークを付けて販売することを認めている。1993 年に設立されたN G O( 非政府組織) であり、現在、本部はドイツのボンにある。2006 年12 月までに全世界72 カ国、853 ヵ所を認証した。日本では00 年に速水林業( 三重県海山町) が国内で初めて取得し、知られるようになった。07 年9 月にはF SC 日本ワーキンググループが設立された。F S C は、N G O( 非政府組織) が主導する側面が強い。

一方、PEF C は、各国が独自に設立した森林認証制度を相互認証して、共通のロゴマークを使えるようにする仕組み。各国の様々な認証制度を相互認証できるかどうかを判断する要求事項を定める。99 年6 月にパリで発足、本部をルクセンブルクに置く。06 年12月時点で参加国は31 力国で、世界の認証林の約7 割を占める。F SC に比べて産業界とのかかわりが強い。
F SC 認証は、森林管理を認証するF M 認証と、生産・加工・流通過程の管理を認証するC oC 認証(Chain-of-Custod y)という2つの形態がある。紙など木材製品にF SC のマークを付けるためには、認証された木材を加工・運搬し、商品化する企業がCoC 認証を取得する必要がある。01年には三菱製紙が国内で初めてC oC 認証を取得した。03 年以降、そのほかの製紙会社や印刷会社などもF SC のC oC 認証を取得し始め、「F SC 認証紙」や「F SC 認証・印刷物」を提供できる体制が国内でも整ってきている。

トレーサビリティー

もとは計測機器の精度を表す用語のトレーサビリティー( 追跡可能性) の概念が、工業製品の生産履歴や品質管理・流通に応用されてきた。食のトレーサビリティー(生産、流通、加工などの履歴管理) は、米国で発生した乳牛の牛海綿状脳症( BSE) 問題の際に浮上し、最近は野菜や肉などの生産・流通履歴に広がっている。

農林水産省は2004 年に「牛肉のトレーサビリティ一法」を施行し、国産牛の個体識別から牛肉の流通記録を義務づけた。同省では食の安全を確保するため、牛以外の野菜や穀物など幅広い分野でトレーサビリティーの導入を進め、2次元コード( QRコード) や無線IC タグなどIT( 情報技術) を利用したシステム構築に取り組んできた。
08 年1 月に起きた中国製ギョーザによる薬物中毒事件により、トレーサビリティーの重要性が再認識されたが、このシステム導入に必要なコストが課題になっている。

MSC 認証

海の環境を保全し、天然の海産物の持続的な利用を実現している製品を認証する仕組み。「海のエコラベル」と呼ばれる。認証主体は、NGO( 非政府組織) のW WF(世界自然保護基金) と英蘭ユニリーバが立ち上げたNPO(非営利組織)「海洋管理協議会(M SC)」( 本部ロンドン)で、2000 年から認証を始めた。米国アラスカ州のサケ漁業やニュージーランドのホキ漁業など24 漁業を認証済みで、さらに50 前後の漁業が認証審査中である。MSC認証製品は1000品目に達し、世界35 カ国で販売されている。

日本では京都府機船底曳網漁業連合会のズワイガニ漁とカレイ漁が認証審査中。MSC認証の水産物の加工・流通に関する、COC認証( 認証品を分別管理できることを保証したもの) を国内で初めて取得したのは、築地の仲卸業者の亀和商店で、アラスカ産キングサーモンなどを販売する。スーパーのイオンと西友もCOC認証を取得し、サケやイクラなどのMSC認証製品を店頭に並べている。

解体容易設計

解体時に手間やコストをかけずに有用な資源を取り出すため、製品の素材や構造、部品の配置、結合方法などをあらかじめ考慮した設計のこと。省資源、有害物質削減など、製品のライフサイクル全体にわたって環境負荷を下げる「環境適合設計」の1つ。

例えば日立製作所では、環境適合製品の設計に当たり、「減量化」「超寿命化」「再資源化」「分解性( 解体性)」「処理容易性」「環境保全性」「省エネ性」「情報提供性」の8 分野で約80 の尺度を設け、定量的に評価する。解体容易設計は、このうち分解性や再資源化に特に着目したものを指丸同社では、部品ごとの材質、重量、解体方法などをデータベース化し、解体時間やリサイクル率を算出するシステムを1994 年から導入し、CAD(コンピュータによる設計)と連動させながら使いやすさを改善してきた。その結果、42 型のプラズマテレビの場合、2000年の製品と05 年のものを比べると、解体時間を11 %短縮するなどの成果を上げている。解体しやすい設計であるかどうかは、省エネや小型・軽量化などと比べて顧客に直接的なメリットがない。さらに製品が使用済みになってからの評価となるため、設計者も取り組む意欲が湧きにくいという問題があった。

そこで富士通は、ノート型パソコンの設計者らが、実際にパソコンの解体を経験し、材料表示やプリント基板の装着法など解体容易設計に関心を持ってもらう体験研修を実施しでいる。
家電リサイクルと同様に自動車においても解体容易設計が様々な部分に取り入れられている。自動車リサイクル法では、重機や人手で解体し、そのまま鉄原料として電炉に投入する「全部再資源化」という手法が認められている。この方法では、ワイヤーハーネス電線や情報回路をコンパクトにまとめた部品) を取り除けないと電炉メーカーに受け入れを拒まれてしまう。日産自動車は、計器盤内の部品配置を工夫し、ワイヤーハーネスを簡単に引き抜けるようにしている。

エコデザイン( 環境配慮設計)

環境に配慮して、製品やサービスなどを設計すること。環境配慮設計巾fE) とも呼ばれ、その実現には、企業による積極的な取り組みが不可欠である。現在、家電メーカーなどを中心に、環境方針に掲げる企業が増えている。

エコデザインは、製品の見た目や機能面での環境配慮だけを求めるものではない。製造の過程で用いる資源やエネルギーなども最小化する。リサイクルのしやすさ、製品の長寿命化にも配慮する。
UNEP( 国連環境計画) は、次の8 項目をエコデザインとして提示している。① 新しい製品コンセプトの開発、② 環境負荷の少ない材料の選択、③ 材料使用量の削減、④ 最適生産技術の適用、⑤ 流通の効率化、⑥ 使用時の環境影響の軽減、⑦ 寿命の延長、⑧使用後の最適処理のシステム化。

DfEに関しては、ISO( 国際標準化機構) が2002年に、ISO/TR14062 を公表した。導入支援のための指針で、認証や登録が目的ではないが、エコデザインの普及に貢献した。
一方、EU( 欧州連合) では05年8月に発効したEUP(エコデザイン)指令によって、エネルギー使用製品のエコデザインの枠組みが固まった。EUP指令は、テレビや冷蔵庫、照明、パソコンなどの電気製品や輸送機器以外の広範な製品を対象とする。

日本でも、解体しやすい設計にするなど、エコデザインを意識したモノづくりが進みつつある。DfEは製造現場でのコスト削減にもつながることがあるため、エアコンやプラズマテレビ、自動車などの製品に採用されている。

エコデザイン研究については、産学連携によるエコデザイン学会連合が1999 年に設立された。大阪府や三重県などの自治体や、NPO( 非営利組織) による取り組みも盛んだ。
エコデザインを普及、推進するNPO( 非営利組織) として、エコデザインネットワークやエコデザイン推進機構などがある。

EP R( 拡大生産者責任)

メーカーなどが、製品の使用、廃棄後も、適正なリサイクルや処分について2 定の責任を負うという考え方で、O E C D( 経済協力開発機構) が提唱した。英語の「Extended Prod ucer Responsibility」を略してE PR と呼ばれる。

O E C D は、E P R について各国政府向けのガイダンスマニュアルを2000 年に策定している。
それによると、E P R は、生産者の製品に対する責任を、物理的、財政的に、製品のライフサイクルの使用済み段階まで拡大する考え方だ。

次の2 つの特徴がある。① 物理的、財政的な責任を、地方自治体から上流の生産者に移す、② 生産者が環境配慮設計に取り組むよう促丸具体的には、製品設計の工夫や製品の材質・成分の表示、廃棄後の生産者による引き取りやリサイクルの実施などが挙げられる。

日本では、1995 年に施行された容器包装リサイクル法が、事業者に容器包装廃棄物の再商品化を義務づけた。同法は、消費者は分別排出、市町村は分別収集という役割分担を明確化した点でも画期的だ。06年6 月の改正法では、容器包装を年間50t 以上用いる多量利用事業者に取り組み状況を毎年国に報告することを義務づけた。

循環型社会形成推進基本法は、製品や容器などの耐久性向上や設計上の工夫、資源の循環的な利用などを事業者の責務とした。資源有効利用促進法は、事業者に3R( リデュース・リユース・リサイクル) の取り組みを求めている。

家電リサイクル法や自動車リサイクル法にもE PR 規定がある。使用済み製品の引き取りや再商品化、再資源化をメーカーに求める。
EPR は、企業によるLCA( ライフサイクルアセスメント) の実践を促す。L C A により製品の環境負荷が低
減され、リサイクルなどの環境コストが抑えられるためだ。自ら自社製品の回収やリサイクルに取り組む企業もある。

WBCDS( 持続可能な開発のための世界経済人会議)

経済成長、環境保全、社会発展の3 本柱で持続可能な発展に貢献していこうと考える企業で組織する国際的な団体。1991年に設立した。
世界各国の多国籍企業など約170 社が活動に参加している。参加企業の所在地は世界35 力国以上、20業種にわたる。このほか40 力国の経済団体と連携して活動を展開している。

本拠地はスイス・ジュネーブで、主な活動内容は環境効率の普及や企業の社会的責任( CSR) の普及と促進。具体的には、政策提言や企業の取り組み事例の紹介などを行っている。

WBCSDは91 年、環境マネジメントシステムの国際規格の策定を国際標準化機構(ISO) に要請した実績がある。ほかにも、「環境効率」の考え方を提唱している。環境効率とは、環境負荷当たりの付加価値を指す。企業が生み出した付加価値、つまり生産量や売上高などを、発生した環境負荷で割って算出する。効率が向上すると環境経営が進展したとみなす

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