環境事典 環境全般Ⅰ

異常気象

ある地域で30 年に1 回程度しか出現しない気象現象のこと。大雨や強風など数時間の現象から、数力月
続く干ばつや冷夏などの気象異常がある。
地球温暖化と異常気象の関係については、気象庁の「異常気象レポート2005」で報告されている。温暖化が進んだ1998 ~2004 年の7 年間は、世界的に異常高温の出現頻度が異常低温より圧倒的に多かった。
過去125 年を陸の年平均気温が高い順に並べると、00年以外の98 ~04 年のすべての年が8 位以内に入る。

異常高温により各地で熱波の被害が相次いだ。とりわけ03 年にフランスを中心に起きた熱波被害では、
多くの死者が出た。国際赤十字社は94 ~03 年の10年間で気象災害の発生数が68 %増加し、アフリカや
アジア、欧州は洪水被害が、米国やオセアニアは暴風の被害が多くなっていると報告している。人為起源の
温暖化ガスが03 年のような熱波の発生リスクを倍増させたと指摘する研究結果もある。

日本でも20 世紀を通じて異常高温を観測する頻度が増えた。国内17 地点での異常高温の頻度を調べる
と、20 世紀初頭の30 年間に比べて最近の30 年間は異常高温の発生頻度が5.8 倍にも達し、一方の異常
低温は0.29 倍に減少した。日本付近では大雨の頻度も増えた。国内51 地点での調査では、大雨警報が発
表される日降水量200 ㎜ 以上の日数は約1.5 倍に増えた。

温暖化すると熱帯低気圧の活動も強まる。気候変動に関する政府間パネル(IPCC) の第4次評価報
告書は、70 年以降、熱帯の海面水温の上昇と関連して、北大西洋の熱帯低気圧の強度が増してきたこと
を示す観測事実があると報告している。
気象現象は様々な要因が絡み合って決まるため、個々の現象について温暖化が原因だと断定はできない。しかし、温暖化によって05 年に米国を襲ったカトリーナやリタのような巨大ハリケーンが発生する確率は上がっている。

酸性雨

空気に接した水のpH( 酸性・アルカリ性の度合いを示す。値が小さいほど酸性度が高く、7 が中性) が
約5.6 なので、これより小さいpH値の降水を酸性雨と呼ぶ。環境省が2002 年に出した「酸性雨対策調査・
総合とりまとめ報告書」には、1983 年~02 年度に実施された観測の結果、平均pH4.77が報告され、平均pH5.08
の欧州に匹敵するほど、日常的に酸性雨が降っていることがわかった。
しかし、植物に対して急性被害が懸念されるpH3未満の降水は確認されず、酸性雨による植生衰退な
どの生態系被害や土壌の酸性化は確認されなかった。とはいえ、栃木県・奥日光の森林衰退は、都市か
ら運ばれたオゾンが影響していると考えられている。
オゾンは強い酸化作用を持ち、殺菌に使われるほど生物にとって有害な物質である。雨に溶けないため「
酸化降下物」と呼ばれ、広義の酸性雨に含まれる。
酸性雨は短期的に深刻なダメージを与えないが長期的な影響はまだ解明されていない。

海の深層大循環

数百mより深い部分で起きている地球規模の海洋循環のこと。熱塩循環とも呼ぶ。
海水はゆっくりと世界の海を移動しており、1000 ~5000年かけて地球を1 周する。大西洋のグリーンラン
ド沖が起点になる。ここでは塩分濃度の高い重い海水が、深層に沈み込んでいる。沈んだ海水は大西洋を南下し、南極に到達。南極にも海水が沈み込む場所があり、これらの深層流が合流して束に流れ、インド洋と太平洋に入る。そこで上昇して暖かい表層流になり、今度は大西洋を北上してグリーンランド沖に戻る。
深層流が極地の冷たい海水を南に運び、表層流が南の暖かい海水を北米や欧州に運ぶことで、地球の気候は安定する。欧州が北緯60 度でも暖かいのはこのためだ。しかし、地球温暖化によって深層大循環
が弱まることが指摘されている。もし急に完全停止すれば、気温は場所によって10 ℃、北大西洋で4 ~5 ℃
下がるとの予測もある。ただ、C02濃度も増えるため、地球全体では温暖化の効果力廿こ回るとされる。

炭素循環

C02は大気と陸と海の間を有機物などに姿を変えて移動しており、陸と海にはC02のもとになる膨大な
量の炭素が貯蔵されている。この炭素の動きを「炭素循環」と呼ぶ。
1990 年代に人類は化石燃料を燃やして大気中に炭素を毎年平均6.4Gt C(GtC=10 億tの炭素のこと)
排出した。その約半分を陸と海が吸収したという。将来の地球温暖化を予測するには、陸と海の吸収量を
正確に見積もる必要があるが、C02の吸収・放出は微妙なバランスで変わるため難しかった。
従来、温暖化の予測は、2100 年までのC02排出シナリオから大気中の濃度の推移を割り出し、それを基
に気温を計算していた。しかし実際は、温暖化すれば海水中のC02が大気中に放出されたり、陸の植生
面積が増えてC02吸収が増大するなど、大気中のC02濃度が複雑に変化する。こうした効果を取り入れ
た「炭素循環モデル」を気候モデルに組み込み、将来の気温を計算する研究も始まっている。

水資源

水は飲料と農耕という人類の生存に欠かせない資源だ。水利権を巡り、地域社会から多国間まで様々な紛争を起こしてきた。世界人口の増加による食糧危機が訪れる前に水不足が深刻になる。それでなくとも不足が懸念される水だが、河川の水質汚染は利用可能な水資源を無駄にしてしまう。追い討ちをかけるように地球温暖化による水不足の警鐘が鳴らされた。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第2 作業部会は2006 年12 月、アジアに住む約10 億人が2050 年
までに地球温暖化の影響で水不足にさらされると予測する調査結果をまとめた。地球上の水の97 %は海水、残る3%の淡水の約80 %が氷、20 %は地下水で、利用しやすい河川は淡水の0.3 %( 約1.3 兆t) にすぎない。

北極気候影響アセスメント(ACIA) のロバート・コレル委員長は2004 年、「米アラスカ州の一部地域で
は、世界平均の10 倍も温度が上昇している」と述べ、さらににれほど大量の氷が融け出している事実とは裏腹に、新たな研究報告によると世界は将来、真水が不足する危険に直面している』と指摘した。今後、人の少ない北極では、氷が融けて河川の水量が大幅に増える一方、乾いた温暖な地域では、真水の量が減少するという。気温力祗がるにつれて水の蒸発量も増加するため、世界の乾燥した地域は今よりさらに干し上がってしまう。
既に世界人口の3 分の1 の人々が汚染も含めた水不足の地域で生活し、そのような地域は2025 年には人口の半数に達すると予測する研究もある。また、国際的に地下水の利用が普及し、帯水層の地下水位の低下を懸念する指摘もある。
世界の水資源用途の割合は農業用水が約70 %、生活用水は20 %、工業用水は10 %を占める。食糧の輸入は外国の農業用水を間接的に消費しているので。「仮想投入水」とも呼ぶ。日本が輸入する食糧に含まれる仮想水は年間数百万tに上り、日本の水自給力の不足が危惧されている。

地球寒冷化説

第2次世界大戦後30 年にわたって世界の平均気温の下降傾向が続いた。世界的な気温観測が始まった19 世紀半ば以降初めてだったこともあり、1970 年代には地球は寒冷化しているとする学説が広まった。実際、寒冷化説には根拠があった。地球は100 万年ほど前から、約10 万年周期で氷期( 寒い時期) と間氷期( 暖かい時期) を繰り返してきた。この変化を「ミランコビッチ・サイクル」と呼ぶ。地球と太陽の距離や地球の自転軸の傾きなどが周期的に変化し、地球に注ぐ太陽エネルギーが増減することが原因だ。
ミランコビッチ・サイクルでは、現在は間氷期から氷期へ変わる手前で、1000 年単位で見れば地球は寒冷化に向かっている。ただ、戦後30 年間の気温低下はこれが原因ではなく、世界的な大気汚染と火山噴火でエアロゾルが急増し、太陽光を遮ったことが原因だった。70年代半ば以降、地球の気温は急速に上昇しており、100 年単位で見れば温暖化していると考えられている。

気候モデJレ

地球上には大気や海洋、陸地など、複雑な気候システムがある。気候モデルとは、流体力学や熱力学な
ど物理法則を応用して気候をシミュレーションするプログラムを指丸具体的な方法は地表と大気層を水平と重力の方向の格子状のグリッドに分割し、グリッドごとの風や気温などの変化を計算する。コンピューターの進歩に
より、気候システムのシミュレーションの速度が飛躍的に高まり、海と陸を統合した全球の気候モデルが作れるようになった。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第4 次評価報告書では、23 の気候モデルが2100 年までの気候予測を示した。これらシミュレーションは気象観測データに加えて、火山噴火や太陽放射、海流、それにC02濃度など多様なデータを入力して計算する。雲などの気象現象は「ノ巧メタリゼーション」という観測結果から得た方程式を当てはめて計算する手法が用いられ、これが気候モデル間の差異を生む原因の一つになっている。
グリッドの間隔が短いほど解像度が高くなり、モデルの精密度が向上する。数年前までグリッドの間隔は100
~500km 程度あり、雲の量や雨量、温度などはグリッド内の平均値としてしか表現できず、局地的な気象は再現できなかった。最近は、けた違いの処理能力を持つスーパーコンピューターが開発されたことにより、全地球10km 間隔のグリッドで覆う高解像度シミュレーションも可能になった。ここまで来ると局所的な集中豪雨なども再
現できる。今後、気象メカニズムの解明が進めば、恣意的な要素のあるパラメタリゼーションを極力減らした気候モデルが実現するはずだ。シミュレーション解像度の向上は、マクロの気候予測だけでなく、台風やエルニーニョ現象など気象予測の面でも期待される。
気象予報に使われる短期的な数値予報モデルの精度も高まり、災害対策など日常生活に生かされる場面も増えそうだ。

エルニーニョ現象/ラニーニャ現象

エルニーニョ現象は太平洋赤道域の日付変更線付近から、南米ペルー沿岸にかけての広い海域で海面水温の高い状態が1 年程度続く現象。ラニーニャ現象は、同じ海域の海面水温が下がる現象で、いずれも熱帯から温帯地方にかけて異常気象を引き起こすが、その発生メカニズムの詳細や根本原因は解明されていない。
気象庁では、北緯4 度~南緯4 度、西経150 度~西経90 度の領域を「エルニーニョ監視海域」とし、その海域の海面水温の基準値( 前年までの過去30 年の平均値) との温度差が6 ヵ月継続して0.5 ℃以上の高温だった場合をエルニーニョ現象、0.5 ℃以下の低温だった場合をラニーニャ現象と定義している。
エルニーニョ現象が起きると、日本の夏の気温は低くなり、ラニーニャ現象が起きると高くなる場合が多い。2007 年8 月、岐阜県多治見市と埼玉県熊谷市で40.9 ℃を記録( 国内史上最高気温) したのもラニーニャ現象が一因になった。

エルニーニョ現象は海面温度の変化だけでなく、海流や大気の気流の相互作用により起こるが、発生原因は仮説の段階だ。太平洋の赤道付近の海面気圧は東側が高く、インドネシアなど西側の海面気圧は低い。東西の気圧差により東風( 貿易風) が吹き、この東風に吹き寄せられた赤道付近の暖水がインドネシア近海にたまる。一方、南米ペルー沖では地球の自転により海底の冷たい水力廿二昇して寒流となる。
太平洋を東西に吹く東風が弱まると西側の暖水の勢力が増してエルニーニョ現象となり、逆に東風が強まると南米沖の冷水勢力が西に広がりラニーニャ現象を引き起こす。

エルニーニョ現象は、赤道海流が弱まることで西太平洋の暖水域が広がると、太平洋中心部の気圧が下がり、さらに東太平洋の気圧まで下げ、このような気圧の変化が世界各地に及ぶ。その結果、太平洋にある大気の大きな循環が崩れ、地域により高温や低温、多雨や少雨などの異常気象を誘発する。

自宅で作る炭酸水

炭酸水を飲むと、胃腸の血管が刺激を受け、胃の粘膜を活発にしてくれます。 来省吾すぐに炭酸水を飲むことで便秘も解消され、老廃物の排出がスムーズになるといわれています。 ・炭酸水を食事の前に飲めば、炭酸ガスがいに入って胃の中で膨らみます。 そうすると、脳が「胃が膨らんでいる=食べ物がいに入っている=満腹」と錯覚が起こり、 食べる量を抑える効果があるといわれています。

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