環境事典 環境全般Ⅲ

絶滅危惧種/レッドデータブック

絶滅危惧種とは、個体数が極端に減少し、絶滅の危機に瀕している動核物種のこと。絶滅のおそれの程度を示す分類の1つ。

国際自然保護連合(IUCN、本部はスイス) の「種の保存委員会」は、世界中の絶滅種や絶滅危惧種のリストをレッドリストとして発表している。絶滅の危険度が高い順に絶滅危惧I 類(IA 類、IB 類) 、H類、準絶滅危惧などと分類している。
2007 年の「レッドリスト」には、1 万6306 種の動植物を記載した。そのうち、動物種は7850 種で、植物種は8456 種。特に哺乳類に関しては、既に調査されている種に対して約20 %、鳥類では約12 %が絶滅危惧種に選ばれた。

日本でも、環境省がこの分類に準じたレッドリストを作成している。07年8 月には全10 分類の見直し作業を終え、絶滅危惧種は従来の2694 種から3155 種に増えた。その内訳は、哺乳類92 種、鳥類92 種、は虫類31 種、両生類21 種など

ラムサール条約

1971 年にイランのラムサールで開かれた国際会議で採択された条約で、「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」が正式名称。条約締約国がその領地内にある湿地を1 ヵ所以上指定し、事務局に登録することで、その湿地の保全を国際的に約束する。2008 年1 月末現在、締約国数157 力国、条約湿地数1,708 ヵ所、条約湿地の総面積は約1 億5300万ha に達する。

日本がラムサール条約の締約国になったのは80 年10月で、同時に北海道の釧路湿原を登録した。その後、千葉県の谷津干潟や滋賀県の琵琶湖などを登録し、現在計33 ヵ所を登録している。千葉県の三番瀬は、ガン・カモ類だけでも10万羽を超える(02 年時)水鳥渡来地だが、地元での合意が得られず登録地になっていない。
07 年11 月に閣議決定した第3次生物多様性国家戦略では、ラムサール条約登録湿地を新たに10 ヵ所増やすなどの具体的な数値目標を組み込んだ。

里山

都市と原生自然の中間に位置し、集落とそれを取り囲む二次林、農地、ため池、草原などを含む地域概念を指丸里地里山と呼ばれる地域は日本の国土の4割を占める。古来から燃料用の薪、山菜やキノコなどの食料を採取する場として活用され、人間による適度な管理によって、草花や昆虫が増え、豊かな生態系を保持してきた。

しかし、昨今では石油燃料が使われるなどして二次林の経済的価値が低下し、加えて都市の開発、農村の過疎化が進行しており、里山の質の低下や消失が問題となっている。

里山は生態系にとっても重要な役割を担う。現在、絶滅の恐れのある種の半分以上は里山に生息するとみられており、環境省は生物多様性国家戦略の中で、国内で進行している3つの危機の1 つに里山・里地の荒廃を挙げている。同省は、2004 年度から全国4 地域( 神奈川・京都・兵庫・熊本) で里地里山保全再生のモデル事業を進めている。

ワシントン条約

国際取引を規制することにより、絶滅の恐れのある野生動植物の種を保護することを目的とした条約。正式名称は、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」。1973 年3 月、米国と国際自然保護連合( ICUN) が中心となり、ワシントンで条約を採択した。日本は80 年に加盟、2008 年1 月現在、締約国は172 力国に上る。

ワシントン条約では、附属書の中で絶滅のおそれがあり、保護が必要と考えられる野生動植物を希少性に応じて3 つに分類し国際取引を規制している。附属書I 記載の野生生物種は、商業目的の国際取引が原則禁止になる。附属書H記載の種は、商業目的の取引はできるが商取引に輸出国の許可が必要になる。
附属書Ⅲ記載の種は、商取引に輸出国の許可か原産地証明書が必要になる。規制の対象になるのは、生きているものだけでなく、これらの動植物の一部( 剥製、毛皮や牙など) や、それらを用いた製品も含まれる。

エコツアー/エコツーリズム推進法

自然環境の保全に配慮しつつ、時間をかけて自然や文化と触れ合う旅のこと。2008 年4月に施行され
たエコツーリズム推進法は、知識のあるガイドの案内や助言を受けて、「自然観光資源」の保全に配慮し
ながら触れ合い、学び、知る活動であると定義している。自然観光資源には、動植物の生息地などのほか、
自然と密接に結び付いた風俗慣習などの伝統的な生活文化も含む。

推進法では、地元の市町村はエコツアーにかかわる事業者や地域住民、NPO( 非営利組織)、専門家を集めて推進協議会を設置し、エコツーリズムの実施の仕方や自然観光資源の保護措置などを規定した「全体構想」を策定する。

国は全体構想を認定すると、広報活動や各種の許認可の優遇などで支援する。さらに市町村は、認定された全体構想に基づいて「特定自然観光資源」を指定して、利用者の数を制限したりできる。世界遺産の屋久島では推進協議会が活動を始めている。

環境教育推進法

持続可能な社会をつくるのに必要な環境教育を進めるため、2003 年に制定され、04 年に完全施行された法律。正式には、「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律」という。

事業者や国民、NPO( 非営利組織) などを対象に環境教育に関する努力義務などを定めている。特に事業者や自治体に対しては、雇用する者への環境教育や、職場での環境保全意欲の増進などを求める。
環境保全に関する指導者を育成、認定する人材認定等事業の登録制度も創設した。

04 年には同法の基本方針ができた。環境教育の実施に当たって重視すべき基本的な考え方を示している。学校・地域・職場などで環境教育を進める方法や、人材育成、拠点整備のための施策などを定める。
持続可能な開発のための教育は、1992 年に開催された地球サミットや、02 年の環境開発サミットでその重要性について討議された。国連は05 ~14 年までを「持続可能な開発のための教育の10 年」と決め、政府、市民、企業など、あらゆる主体が連携して教育・啓発活動を推進すべきとしている。
わが国でも、02 年から環境教育が「総合的な学習」の時間に採用され、学習指導要領にも位置付けられた。しかし、環境教育は子どもだけでなく、企業人を含めたすべての人が対象でなければならない。同時に環境教育の担い手となる指導者の育成も不可欠だ。同法が制定された背景には、こうした社会的な要請があった。

一方、社員への環境教育を実施する企業も増えている。花王では、アル・ゴア元米副大統領が制作した映画「不都合な真実」を上映するなどして、環境教育の効果を上げている。シャープも、社員が小学校向け環境教育の講師を務めることで、共感や気付きを促すことに成功した。このほか、東京商工会議所が06年に始めた「エコ検定」や、環境問題をテーマにした「環境落語」を環境教育のツールに活用する企業もある。

環境家計簿

家庭で使用したエネルギー量( 電気・ガス・水道・ガソリンなど)を記録することで、排出したC02を確認できる“環境版” の家計簿のこと。環境省は、環境に配慮した行動を心がける家庭(エコファミリー)を支援する事業「我が家の環境大臣」を2005 年6 月から実施し、その中で環境家計簿( えこ帳) の活用を奨励している。

エコファミリーを支援するウェブサイトの中で環境家計簿を提供しており、このサイトを使うと前年度の
排出量との比較などができる。
国に先立ち多くの企業が環境家計簿を従業員の省エネ意識を高めるためのツールとして活用している。
松下電器産業は1998 年4 月から従業員に環境家計簿の作成を呼びかけ、06 年度には参加世帯数が4 万7000
件に達した。そのほか、複数の電力会社やガス会社などが、契約世帯向けに、水道、ガソリン、灯油なども含めた環境家計簿を自社のウェブサイトで提供している。

エコバッグ

消費者が買い物に持参し、買った商品を入れるショッピングバッグのこと。レジ袋と違い、繰り返し使えることが大きな特徴である。マイバックミ買い物バッグとも呼ぶ。
1970 年代以降、スーパーなどで買い物客へのサービスとしてプラスチック製のレジ袋が配られるようになった。しかし、年間使用枚数が300 億枚以上になり、2007年4月施行の改正容器包装リサイクル法では、レジ袋などの容器包装を一定量以上、利用する事業者に対してマイバッグの配布など排出抑制を進めるための取り組みを求めている。

こうした国の取り組みや環境意識の高まりもあって、この数年、エコバッグを利用する女性が増えている。60 年代まで買い物かごを使うことが一般的だったことを考えると、一世代前のライフスタイルが見直されたともいえる。有名ブランドがエコバッグを発売したり、エコバッグの利用を促す大手スーパーが相次いだりと、暮らしに浸透しつつある。

フードマイレージ

日本の食糧自給率は約40 % と消費総量の半分を割り込み、60 % を輸入に頼っている。経済のグローバル化か進み、世界貿易機関( W T O) も農作物を含めた自由貿易を推進している。こうした膨大な量の食材を輸送するために大量のC 0 2が排出されている。国内に限ってみても、2005 年のC 02排出量のうち、20% を運輸部門が占め、1990 年比で1.2 倍に増加しており、削減が急がれている。そこで食料の輸送に伴うC0 2排出量を算出し、「フードマイレージ」として数値化する取り組みが注目されている。

フードマイレージの確かな基準はないが、「食材や食料品の重量× 距離× 排出係数」が基本的な算出法になる。排出係数は1t の物品を1km 運ぶときに排出されるC02量( g) 。一例では、鉄道が21 と少なく、トラックが167、航空機は1510 と鉄道の70 倍以上に上る。日本が輸入する食品のフードマイレージは年間約5000億t・km に上り、米国の3 ~4 倍になる。

農作物や加工食品など「食べ物」の輸出入における輸送によるC02排出量だけを強調することを疑問視する向きもある。しかし工業製品や資源、材料などと違い、農作物を地元で消費する“地産地消” は、総合的な環境負荷を抑える方法の1つと考えられている。

例えば、限られた範囲の地産地消を進めることは、貿易相手国の地産地消を促し、C02削減の相乗効果が期待できるという見方もある。ただし、自由貿易体制と環境負荷との関係は議論を呼びそうだ。
有機農産物や無添加食品の産地直送を展開している大地を守る会( 東京・六本木) は、独自にフードマイレージの単位印OCO( ポコ)」を作り、70 食品のC02排出量リストを算出。1ポコはC02排出量100gに相当する。アスパラガス1 本30g をオーストラリア産と長野産を東京で消費した場合、2.99ポコの差となり、299gのC02を余分に排出する計算になる。大地を守る会では、8 万人の消費者会員に向け、食の安全だけでなく温暖化対策に貢献する“食の選択” を提案している。

Pan&(パンド)

冷凍パンが、あなたの“おいしい”常識を変える。 冷凍パンは、食べるその時が焼きたて!という唯一のパンです。 出来立て直後の美味しさをそのまま冷凍で閉じ込めているから、 冷凍のままトースターに入れるだけで、一気に焼きたての食感と風味が蘇ります。 それは、焼きたての最高の瞬間を味わうためだけに誕生したパンの新ジャンルです。

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