よく分かる環境法 省エネ法①(工場・製品編)

温暖化対策の主翼を担う4分野で取り組み促す

オイルショックを機に制定され、京都議定書で規制対象を拡大。
全国1 万3000 ヵ所余りの工場やオフィスに省エネを義務づける。
トップランナー制度で、省エネ製品の開発競争を加速する。

「エネルギーの使用の合理化に関する法律( 省エネ法)」は、国の省エネ政策の骨格をなす法律である。
石油の使用量を減らすことを目的に、1979 年に制定された。その後、温暖化問題が注目されるようになり、京都議定書の目標達成のための施策の柱にも位置付けられている。

省エネ法は、4つの分野について企業に省エネの取り組みを求めている。今回は工場( 事業場) とエネルギー消費機器、次回は建築物( 住宅) と運輸について解説する。

工場ごとに専門家を配置

省エネ法では、エネルギーの使用量が大きい工場と事業場( オフィスなど) を「エネルギー管理指定工場」に指定している。 電気や熱の年間使用量が原油換算で3000k 口以上の場合は第1種( 全国に約7400 ヵ所) 、1500k
政J、上の場合は第2種( 同約5900ヵ所) とし、省エネの取り組みを義務づけている( 右ページの表)。

第1種に指定された工場では、熱と電気についての専門知識を持つエネルギー管理士の国家資格を取得している人を、「エネルギー管理者」に選任しなければならない。エネルギー管理者は、電気や燃料を消費する設備を維持・管理し、エネルギーの使い方の改善策を考えるなど、現場の省エネの取り組みの要になる。事業場の場合は、1日間の「エネルギー管理員講習」を受講したエネルギー管理員を置けばよい。

そのほかに、3~5年程度にわたる中長期の省エネ計画を策定して提出することや、年に1回、エネルギーの使用状況を報告することも義務づけられている。

第2種に指定された工場と事業場では、エネルギー管理員の選任とエネルギー使用状況の定期報告が義務づけられている。
具体的な省エネの実施方法は、経済産業省の告示で定められた、いわゆる「工場・事業場判断基準」に示されている。例えばエネルギーの管理は、工場全体だけではなく設備群や作業工程ごとにきめ細かく実施することを求めている。

さらに、エネルギー消費原単位( 生産量や延べ床面積当たりのエネルギー消費量) を、年平均1%以上低減することを目標に、取り組みを進めることとしている。

第1種については、この判断基準に照らして、取り組み力渚しく不十分な場合には、経産大臣力洽理化計画の提出や実施を指示できる。指示に従わない場合は、企業名を公表し、指示した内容を実施するように命令できる。命令に違反した場合は、100万円以下の罰金に処せられる( 第2種は、合理化の勧告のみ)。

法制定以来、公表や命令は1件も出ていない。だが、京都議定書の目標達成が危ぶまれる中で、経産省は昨年度、こうした行政措置の運用を厳格化し、抜き打ちの立入検査を実施することなどを決めている。

世界初のトップランナー制度 

世界初のトップランナー制度 省エネ法のもう1つの重要な柱は、省エネ性の高い製品を普及させるための「トップランナー制度」である。制度の対象は、下表にまとめたエ和レギー消費機器( 特定機器) 。それぞれの機器について、商品化されているものの中で最も省エネ性能が優れている製品を基に、技術の進歩を見込んだエネルギー消費効率の目標基準値を設け、数年後の目標年度までにメーカーや輸入事業者に達成を求める。
達成できない場合は、勧告、社名と製品名の公表、命令が段階的に実施され、命令に従わない場合は100万円以下の罰金が科せられる。

ただし、エネルギー消費効率は製品の用途や仕様によって大きく異なる。そのため、特定機器ごとにいくつかの区分を設け、区分ごとに目標基準値を設定している。
省エネ基準は満たせないがニーズが高い製品もあるので、目標達成の可否は、製品ごとではなく区分ごとに判定する。同じ区分に該当する製品が複数ある場合、出荷台数で加重平均したエネルギー効率が目標基準値をクリアしていればよい。

特定機器に指定されるのは、① 国内で大量に使用されており、② エネルギー消費量が大きく、③ 省エネが可能( £ヽ要) な製品。 99年の制度開始当初は乗用自動車やエアコンなど9品目だったが、現在は21 品目に増えている。今後、インターネットの普及で急増したルーター( 経路制御装置) も、家庭用が追加される。

トップランナー制度は日本独自の規制手法で、世界にも例がない。優れた制度であることは、実績を見ればわかる。同じ仕事に叱ヽ要なエネルギーの量は、テレビでは97 ~2003年度の間に25.7 %( 当初見込みは16.4%) 、電気冷蔵庫は98 ~2003 年度で55.2 %( 同30.5 %) も改善した。

ただし、例えば90 年度には約1.3台だったエアコンの世帯当たりの保有台数が、2005 年度には約2.6 台に達するなど、多くの機器で保有台数が増え、世帯当たりのエネルギー消費量は増え続けている。

製品分野での省エネを加速させるために、06 年4 月に施行された改正省エネ法では、小売事業者に製品の省エネ情報を消費者にわかりやすく提供する努力義務が規定された。

それに合わせて06 年10 月から「統一省エネラベル」制度が始まった。従来の省エネラペルと異なり、ほかの製品と比べてどの程度の省エネ性能があるのかを5 段階で評価。
1 年間使用した場合の電気料金の目安も表示し、消費者の厳しい選択眼で省エネ製品の開発競争を促す。

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