よく分かる環境法 省エネ法②(住宅建築物・運輸)

住宅と運輸に対象を拡大削減遅れる2部門にメス

2006 年4月施行の改正法で、住宅と運輸の規制を大幅に強化。延べ床面積2000m2 以上の建物に省エネ措置の届け出を求める。大手の運輸事業者と荷主企業が新たに規制対象に加わった。

省エネ法は、1979 年の制定以来、改正を繰り返しながら強化されてきた。中でも、06 年4月施行の改正法(
以下、改正法) は、省エネの努力義務にとどまっていた住宅や、法律の対象ではなかった運輸などの分野を強化した。 C02排出削減が遅々として進まない民生部門や運輸部門にメスを入れる大改正になった。

すべての建物に努力義務

省エネ法では、建物を2つに分けている。 1つはマンションや戸建てなどの住宅、もう1つはオフィスビルなど住宅以外の建築物( 以下、建築物) で、それぞれに建物自体の省エネ性能や設備の仕様などを記した省エネ基準( 判断基準とも呼ばれる)を定めている。そして、すべての住宅と建築物について、建築主、所有者や管理者に、新築や改修に際して、省エネ基準を満たすように「努力する義務」を規定している。

建築物の省エネ基準では、用途によって建物の作りが大きく異なるため、事務所、ホテル、病院、工場、物
販店舗などの用途ごとに、ガラスの仕様や断熱材の厚さなどの断熱性能についての基準と、空調や照明など
5つの分野の建築設備について省工ネ性の基準を定めている。

住宅については、全国を6つの地域に分けて、気候に合わせた建物の断熱性や気密性などの基準を設けている。設備面では、集合住宅の共用部分について建築物と同じ5つの分野で基準や留意事項を定めている。

建築物と住宅いずれの基準も80 年に制定され、99 年に2度目の改定となる「平成11 年基準」( 次世代省エネ基準) が定められた。新築建物の省エネ基準達成率は、建築物( 延べ床面積2000m2 以上) で74 %(2004 年度)、
住宅で30 %(2005 年度)。国土交通省の推計によれば、「京都議定書目標達成計画」( 目達計画) に織り込まれている、建築物で2006 年度に8割、住宅で2008 年度に5割の達成率は実現できそうだ。

省エネ法では、延べ床面孝責力12000m2以上の建物( 特定建築物) については、建築主、所有者や管理者に努力義務以外にも義務を課している。2003年に建築物について始まり、改正法で住宅も対象になった。

特定建築物では、新築・増改築、大規模イ|糾善などの際に、設計や施工に当たって、省エネ基準に示されている省エネ措置を実施して、その内容を都道府県など、所管行政庁に届け出ることを義務づけている。

また、建材や設備は手入れをしなければ省エネ性能を保てないため、届け出た内容について、3年ごとに維持保全状況の報告を義務づけている。例えば、屋上緑化の生育状況や反射ガラスの清掃状況、エレベーターのメンテナンス状況などがある。

省エネ措置や維持保全状況が、判断遠淮に照らして著しく不十分な場合は、所管行政庁が省エネ措置の変更の指示や名前の公表、維持保全の勧告などを実施する。

特定建築物の対象を広げるべきとの意見も少なくない。だが、裾切り基準を引き下げれば規制の費用対効果は悪化する。 住宅以外の建築物(約12 万棟) のうち、延べ床面積が2000m2以上の建物は5%で、床面積では59 %を占める。基準を「1000m2以上」にすると、床面積は12 ポイント増えるが、棟数は倍になる。

今後は、省エネ設計による金銭的な利点をわかりやすく伝える仕組みを整えるなど、建築士や消費者の目を省エネに向けさせる施策が重要だ。

荷主企業2000 社に義務

運輸分野は改正法で初めて省エネ法の対象になった。一定規模以上の輸送能力を持つ輸送事業者( 特定輸送事業者) と、発注側の荷主企業で、委託もしくは自家物流による年間輸送量が3000 万トンキロ( 貨物重量×輸送距離) 以上の錆者( 特定荷主)が省エネ義務を負う。取引上強い立場にある荷主企業も規制対象にすることで、実効|生を高めた。

制度開始後初の荷主企業の輸送量の届け出が4 月末に締め切られた。現在集計中だが、特定荷主に指定される企業は2000 社弱に達し、国内の年間総輸送量である約5700 億トンキロの半分をカバーできる見込みだ。
一方、特定輸送事業者の規模要件としては、国内の貨物と旅客の輸送能力のおよそ半分をカバーできるように、トラック200 台以上、鉄道300両以士lなどの基準を設けている。 07年3月末時点で641 社が特定輸送事業者に指定されている。

輸送事業者と荷主企業に向けては、具体的な省エネの取り組み内容を示した「判断基準」が公表されている。特定輸送事業者と特定荷主は、この判断基準の中から実施可能な取り組みを選んで省エネ計画を策定し、年1回、特定輸送事業者は運輸局( 国交省の出先機関) に、特定荷主は経済産業局( 経済産業省の出先機関) などに提出することを義務づけている。

これと合わせて、年1 回、年間の輸送量やエネルギー消費量、判断基準に示されている省エネの取り組みの状況などを報告することも義務づけている。判断基準では、省エネ計画の実施に当たっては、エネルギー消費原単位を年平均で1 %以上低減することを目指すとしている。

エネルギー消費原単位とは、輸送’事業者は輸送量当たりなど、荷主は売上高当たりなどのエネルギー消費量を指す。原単位の低減が1 %に満たない場合は、その理由も報告しなければならない。判断基準に照らして取り組みが不十分な場合は、勧告、企業名の公表、命令、100 万円以下の罰金が段階的に適用される。

省エネ対策は規制対象外の中小の輸送事業者にも広がりそうだ。特定荷主が定期報告するために、委託先の輸送事業者は、使用した車の種類など、燃料消費量を計算:するための情報を伝える£ヽ要がある。こうした作業を通じて自社の燃費効率を強く意識させられる。さらに、委託先が省エネを進めれば荷主企業の原単位が抑えられるため、同じサービス内容ならば、より低燃費の車両を使う輸送事業者が選ばれるようになる。

2005 年度(速報値)の運輸部門のC02排出量は2億5700 万t で、90 年度比で18.1 % 増。増加分の大半を占
める自家用乗用車を除けば、100 万t減っている。それでも、景気回復などで排出量が増える恐れもあり、2010
年度に排出量を2億5000 万t にするとしている「目達計画を実現できるかどうかは予断を許さない」( 国交省環境海洋課)状況だ。

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