エネルギーⅡ

コージェネレーション

ひとつのエネルギーから複数のエネルギー(電気・熱など) を取り出すシステムを指す。具体的には、電力の消費地に近いところで発電し、発電時の排熱で温水や蒸気を作って、電気と熱を同時に供給する。「熱電併給」と訳醜送電ロスが少なく、発電に伴う冷却水や排出ガスなどの排熱エネルギーを有効に回収利用できる。

日本では、コスト削減の視点から1980 年代以降に普及し、近年、環境面での利点から増加している。排熱を有効に利用すると、エネルギーの総合効率が最大で80 %に達する。省エネルギーや、C02などの温暖化ガス削減に役立つ。
日本全体では設備容量で約880 万kW 相当のコージェネを導入している。普及の内訳は、民生用では銭湯やホテルなど、お湯の需要の多い施設が目立つ。産業用では、製紙、化学、ガス・石油などエネルギー多消費型の産業で導入されている。

火力発電所と比べてコージェネは、発電効率を排熱の利用効率で補って省エネ性を確保する。排熱を利用しない自家発電は、モノジェネと呼ばれ、省エネ効果はない。経済産業省は、工場への立ち入り視察の際、排熱利用が不十分な設備に対して改善を指摘している。

京都議定書目標達成計画では、事業所への天然ガスコージェネの導入量の目標として、2010 年度までに総発電電力で498 万kW を見込んでおり、1140万t-C02の削減を目指す。
環境省は、自主参加型国内排出量取引制度の実施ルールで、「コージェネクレジット」を定めている。
コージェネによる発電に対し、発電量に応じて別途クレジットを交付するものだ。
発電能力が10kW 以下のものを「マイクロコージェネ」と呼ぶ。小規模で家庭向けだ。ガス会社や自動車メーカーが、ガスでエンジンを動かして発電するシステムを販売している。LPガスや灯油を使ったシステム開発が進んでいる。

ハイブリッド車

エンジンとモーターを併用しながら走る自動車。ハイブリッドシステムは、発電機の役割も果たすモーターと、二次電池やインバーターなどで構成する。発進・加速時は、モーターがエンジンを補助する。大きな力を必要とする発進・加速時は、エンジンの燃費が悪化する。モーターは低回転時でも効率が高いため、発進・加速時にモーターがエンジンを補助することで、燃費が高まる。

さらに、エンジン自体を燃費の良い小型のものにしても走行匪能を維持できる。また、減速時に余った運動エネルギーは、モーターで電気に変換( 回生) して二次電池に充電する。このため、基本的に外部からの充電の必要はない。

低燃費エンジンの主流と目されている。燃料電池車や電気自動車、環境と低燃費を両立しつつあるディーゼル車などがライバルと言われるが、出荷実績では群を抜いている。

ハイブリッド車には2 種類ある。① パラレル型は、エンジンとモーター両方の力を組み合わせて走る。②シリーズ型は、エンジンは発電だけ行い、その電気でモーターを回して走る。

世界初の商用ハイブリッド車は、トヨタ自動車が1997年12 月に発売した『プリウス』だ。パラレル型とシリーズ型両方の特徴を併せ持つ。ホンダも99 年からハイブリッド車の販売を開始。ホンダはパラレル型を採用している。日野自動車やいすゞ自動車は貨物車やバスを販売する。
2006 年度における国内のハイブリッド車の出荷台数は約9 万台で、低燃費の低排出ガス認定車などを除くと、低公害車の中では台数で群を抜く。
現在最も注目されているのが、家庭用コンセントで充電できるプラグインハイブリッド車だ。トヨタやボルボ・カーなどが実用化に取り組み、10年代の早い時期での市場投入を目指す。ハイブリッド車に搭載するリチウムイオン電池などの二次電池の開発が急がれる。

プラグインハイブリッド車

家庭用電源から自動車用の電池に充電できる新しい構造のハイブリッド車。従来のハイブリッド車ではエンジンを動かし、ガソリンを使わないと発電できなかったが、プラグインハイブリッド車は充電した電池でモーターを駆動させ、ガソリンを使わない“電気自動車”として走らせることが可能だ。

電気自動車は長時間を要する充電時間や走行距離が短い点、充電する施設の少なさなどがネックとなり普及しなかった。しかし、エンジン(内燃機関) に比べ、電気モーターはエネルギー効率が高く排ガスも出ない長所がある。
ハイブリッド車は電気モーターとエンジンの両方を車両に搭載し、低速走行時と高速走行時の駆動を切り替える方法で欠白lを克服した。
プラグインハイブリッド車と従来のハイブリッド車の違いは2 点ある。① 家庭用のコンセント(AC電源) や業務用電源に接続( プラグイン)して充電できる。②電池の能力を高めて、電気モーターによる走行距離を伸ばすことで、始動や低速走行に力を発揮する(トルクが高い) という特長を最大限に生かせる。

2007 年7 月、トヨタ自動車はプラグインハイブリッド車「トヨタプラグインHV」を開発、国内での公道走行試験を実施すると発表した。トヨタプラグインHVは、100V 電源で3~4時間(200V 電源は1 ~1.5 時間) 充電することにより、1度で最大13km 程度のモーター走行ができる。ハイブリッド車『プリウス』のモーター走行の距離を4 倍以上に伸ばし、モーター駆動の最大時速も100km まで加速が可能になった。トヨタプラグインHVは、従来のハイブリッド車に比べて、1日25km走るケースでC02を13 %、夜間電力で充電すると燃料代を41 %削減できる。大都市などで運転するケースでは電池が残っている限り、電気自動車として走行する。その意味でハイブリッド車と電気自動車の中間的な位置付けにあるともいえる。07年の東京モーターショーでは、トヨタやボルボ・カーが相次いでプラグインハイブリッド車を出品し、ガソリン車中心たったハイブリッド技術の多様化を印象付けた。

電気自動車

バッテリー( 蓄電池) に蓄えられた電気エネルギーを利用して電気モーターを回転させ、その回転力を車輪に伝達して走行する自動車のこと。その歴史はガソリンを使った自動車よりも古く、単純な構造のために研究や趣味目的などで作られることもある。

走行中の排ガスがゼロで、内燃エンジン車と比べて化石燃料を運動エネルギーに変える効率が高い。C02削減効果も大きいため、過去に2回世界的なフしムがあった。それでも一般ユーザ一にはなかなか浸透しなかったが、現在は電池の改良や環境意識の向上もあり、再び普及が試みられている。

日本の自動車メーカーは、比較的小型の車体で電池性能を高めたものが多いが、欧米は、航続距離(1回の充電で走行できる距離) を長くするためにバッテリーを多く積み、車体を大型化したケースも多い。
電気自動車に使われるバッテリーは、鉛蓄電池が使われてきたが、最近ではより小型化、軽量化が進んだニッケル水素電池、あるいはリチウムイオン電池が使われている。リチウムイオン電池はエネルギー密度が高く注目されているが、価格も高いため量産による値下げが待たれる。

さらに、ソニー製の携帯用リチウムイオン電池が発火するなど安全性が確立していないという課題もあり、まだすべての電気自動車のバッテリーに採用されているわけではない。
現在、試乗ができる電気自動車としては、三菱自動車の「アイミーブ」、富士重工業の「Rle」がある。そのほか、タケオカ自動車工芸( 富山県) が開発した「R E VA」や、オートイーブイジャパンがイタリアから輸入している「ジラソーレ」のように既に販売しているものもある。

経済産業省は、このような自動車産業の動きを後押しすべく、E V( 電気自動車) タウン構想の準備を進めている。普及には、15 分で60km 走行分を充電できる急速充電器の設置も必要で、東京電力などの電力会社が協力を進めている

燃料電池車

燃料電池で発電した電気でモーターを回して走る自動車のこと。燃料電池は、燃料の水素と空気中の酸素を化学反応させることで発電する。
自動車に搭載した燃料電池に水素を送り込むと、化学反応して電気と水になる。電気は走行に利用され、水は水蒸気として排出する。燃料に化石燃料ではなく、水素を使ううえ、車からはC02や窒素酸化物(NOX)などの有害物質は一切出ないことが、燃料電池が究極のエコカーといわれるゆえんである。発電した電気はすぐに使わずに二次電池に貯めておくこともできる。

燃料の水素の供給方法は2 パターンある。ガソリン車がガソリンスタンドで給油するように「水素ステーション」で車内に搭載した水素タンクに充てんする方法と、車内でエタノールやガソリンを改質して水素を作る方法である。
水素の製造方法にも複数のパターンがある。天然ガスやエタノりレといった化石燃料を化学反応させて取り出す方法や、鉄鋼を製造する際に副生成物として大量に発生する水素を使う方法がある。太陽光発電などの再生可能エネルギーを使って水を電気分解して水素を得る方法もある。水素を得るためのエネルギー源に、石油以外の複数の選択肢がある点も燃料電池の特徴といえる。

だが、燃料電池車には課題も多くある。第1 に燃料電池のコストが非常に高いこと。燃料電池車の開発原価は、1 台1 億円(2007 年末時点) とも言われる。
第2 がインフラ整備だ。燃料電池車を普及させるには、全国各地に水素ステーションを整備しなければならない。水素とガソリンは性質が大きく異なるため、既存のガソリンスタンドを流用するのは難しい。ホンダなどの自動車メーカーは、燃料電池の開発に加えて、水素ステーションの開発も積極的に進めている。
第3が燃料電池の耐久性である。使い方にもよるが、自動車は廃車になるまでに数十万km を走る。現状では、その前に燃料電池が寿命を迎える。

クリーンディーゼル

排ガス性能をガソリン車並みに高めたディーゼル自動車。窒素酸化物(NOX)や粒子状物質(PM) を多く排出する従来型のディーゼル車と区別するためにクリーンディーゼルと呼ぶ。

ディーゼルエンジンとガソリンエンジンは、燃料の燃焼方法が異なる。ガソリンエンジンは、空気とガソリンをあらかじめ一定の比率で混ぜ合わせてから燃焼室(シリンダ2) に入れて圧縮し、点火プラグで着火して爆発させる。一方、ディーゼルエンジンは、空気だけを燃料室に入れて圧縮し高温にしてから軽油を数百気圧で吹き込む。

すると点火プラグなしで自然に発火し爆発する。空気だけを圧縮するとガソリンエンジンよりも圧縮比を高くでき、1回の爆発でより多くの運動エネルギーが得られるために燃費が良い。だが、自然着火であるためシリンダー内の燃焼が不均一になりがちで、騒音や振動が出やすい。燃料と空気がうまく混ざらないと、不完全燃焼でPM が生じる。

クリーンディーゼルは、1990 年代後半に登場した「コモンレール」というエンジンの燃料噴射技術の登場で、排ガスや騒音、振動などの欠点を一気に解決した。シリンダーの手前にある蓄圧室( レール)に2000気圧を超える高圧で燃料をため、燃料噴射装置の弁をごく短時間開閉し、シリンダー内に霧状の燃料を噴射する。圧力を高めるほど、同じ時間で吹き込める燃料が増え、トルク(回転力) 力往がる。燃料の液滴も小さくなり、空気との接触面積が増えて理想的な燃焼状態に近付く。燃料の燃え残りであるPM が減り、燃費も改善する。

世界各国で厳しさを増す排ガス規制をクリアするために、エンジンの燃料噴射技術に加えて、PM とNOXの処理装置も搭載する。PMの除去は、セラミックス製の排ガス浄化装置巾PF)を使う。NOXの除去は自動車メーカーによって採用する方式が異なる。
尿素水を直接、排ガスに噴射してNOXを取り除く「尿素SCR」や、NOXを触媒で還元して除去する方法がある。

バイオディーゼル(BDF)

バイオマス( 生物資源) から作るバイオマス燃料の1 つ。菜種油、大豆油、ひまわり油、コーン油などの植物由来の油や廃食用油などと、メタノールを反応させて作る、軽油代替燃料の総称である。車両や船舶、発電機などのディーゼルエンジンに使える。「BioDiese1 FueL」の頭文字をとって「BDF」と略されることも多い。

バイオマス燃料を利用する最大の利点は、C0 2排出の抑制効果だ。バイオマスは大気中のC02を吸収しているため、燃やしてもC02の量は差し引きゼロになる( カーボンニュートラル) 。化石燃料からバイオマス燃料への切り換えは、C0 2排出量の削減が難しい運輸部門の対策の切り札として期待されている。

政府は京都議定書の削減目標を達成するためにバイオマス燃料の普及を急ぐふ2005 年4 月に閣議決定した「京都議定書目標達成計画」では、バイオマス燃料の利用を10 年に原油換算で50 万k 叙こする目標を掲げた。また、農林水産省が07 年2 月に公表した「国産バイオ燃料の大幅な生産拡大」では、30 年ごろまでに国産バイオディーゼルの年間生産量は、エタノール換算で10 万~20 万k れ原油換算で6万~12万k 幻にできるとしている。

市民レベルの取り組みも活発で、各地域で廃食用油を回収、活用する取り組みが実施されている。例えば、全国約150 ヵ所以上(07 年1 月時点) で展開されている「菜の花プロジェクト」は、休耕田などで栽培した菜の花から菜種油を作り、食用油として利用した後に回収してバイオディーゼルを製造している。だが、廃油量は少なく、安定供給は難しい。一方、パーム油ではインドネシアやマレーシアなどの大規模農園における生態系の破壊や児童労働など別な問題が出てくる。

ディーゼル乗用車がほとんど普及していない日本では、軽油の代替燃料であるバイオディーゼルよりも、ガソリンの代替燃料であるバイオエタノールに関心が集まりがちだ。しかし、ディーゼル乗用車のシェアが高い欧州では、バイオディーゼルが主流になっている。

バイオガソリン

ガソリンにバイオマス(生物資源) 由来のエタノール(バイオエタノール)を混ぜた燃料をバイオガソリンという。エタノールを直接、ガソリンに混ぜる方式と、エタノづレ化合物のETBT(エチル・ターシヤリー・ブチル・エーテル)を混ぜる方式の2 タイプがある。ETBTは、バイオエタノールに石油精製時の副産物のイソブテンを合成した添加剤を指丸2007 年4月、石油元売り9 社は首都圏50 店のガソリンスタンドでETBT方式のバイオガソリンを販売し始めた。ガソリンに対するエタノールの比率は3%、ETBTは7%になる。07年度は17 万口を販売目標としている。

石油連盟は09 年度には全国1000 店のスタンドでバイオガソリンを販売し、本格導入の10 年には年間1200
万口まで販売を拡大する計画だ。この販売量はガソリンの年間販売量の約20 %に相当する。
バイオエタノールは、植物原料を発酵させたアルコールの一種。サトウキビなど糖に分解しやすい原料を使う製造方法が主流だが、食糧生産との競合が課題だ。樹木などのセルロースからエタノールを生産する実証試験も進んでいる。

バイオエタノールが燃焼して排出したC02は、植物が成長時に吸収したC02と相殺できるため、京都議定書でぱ排出量ゼロ” と見なしている。一方、バイオエタノールの製造から消費までのライフサイクル全体のC02総量を把握すべきだとの議論もあり、正確な排出量を見積もる研究が進んできた。ブラジル産エタノールを日本に輸入して消費するまでのC02排出量は、ガソリンの約5分の1 に削減できるとの三菱総合研究所の試算もある。
環境省は、ガソリンに直接バイオエタノづレを3 %混ぜた燃料の製造・販売事業を補助金で支援する方針だ。ETBTは直接方式に比べ混合時に性状が安定するが、混合比率の大幅な向上は難しい。国が目標とするガソリンのエタノール混合比率10 %を達成するためにETBT方式がネックとなる可能性がある。

燃費規制

省エネ法に基づいて自動車に課せられた燃費の目標基準値。
1979 年に始まった。98 年の省エネ法の改正でトップランナー方式が導入され、自動車メーカーは目標年度までに車両重量の区分ごとに基準年度に最も燃費の良かった自動車のレベルにまで燃費を高めることが要求される。

99 年に策定した「平成22 年度(2010 年度) 燃費基準」は、乗用車が10 年度までに達成すべき目標を定めた。3.5tを超えるトラックなどの重量車に対しては、05年度を目標年度とした(06 年3 月に目標を改定) 。
その後、07 年7 月に乗用車への目標を改訂した「平成27 年度(2015 年度) 燃費基準」が始まった。04 年に最も燃費の良かった車を基準に15 年までの技術進歩を上積みした目標燃費を重量区分ごとに規定している。

この基準は、15 年度末までに全重量区分で平均て23.5 %の燃費向上を求める世界最高レベルの基準である。99年にトップランナー方式を導入してから既に平均22.8 %も燃費が改善されたことを考えると、八イブリッドなどの環境技術を持たない自動車メーカーにとっては相当厳しい基準と言える。

15 年度燃費基準の変更点は大きく3 点ある。第1がディーゼル車とガソリン車の区分を撤廃したこと。
ディーゼル車はそもそもガソリン車より燃費が良い。排ガス基準を満たすクリーンディーゼル車を販売すれば、
厳しい基準をクリアしやすくなる。
第2がクレジット制度の導入だ。メーカーごとに、「各区分で基準を超えた燃費(km μ) の逆数×出荷台数」をクレジットとして付与し、重量車やスポーツタイプなどで、基準をクリアできない区分をクレジットで補えるようにした。

第3が、カタログに表記する燃費の測定モードの変更だ。従来の「10・15 モード」では実走行時よりも燃費が少なく出るため、より実走行に近い数値が出る「JC08 モード」に変更した。

燃料電池

水素と大気中の酸素を化学的に反応させることによって、直接電気を発生させる装置。自動車用や、定置式の産業用、家庭用で技術開発が進んでいる。また、携帯電話やパソコンなどモバイル機器の電源としても注目されている。

燃料となる水素は、天然ガスやプロパンガスなど多様なエネルギーから作ることができる。窒素酸化物( NOX)や硫黄酸化物(SOX)を排出しないクリーンな発電システムである。燃料改質技術の進歩により、灯油などからも水素を取り出せるようになった。
自然エネルギーを使った水の電気分解や、バイオマスから製造した水素でも発電できる。化石燃料に依存せずに済むため、地球温暖化問題の解決策として期待されている。発電効率は40 ~60 %と高く、コージェネレーション(熱電併給) としても効率が高い。
主な燃料電池の種類としては、① リン酸型(PAFC)、②固体高分子型(PEFC= PEM)、③ 固体酸化物型(SOFC)、④ 溶融炭酸塩型( MCFC)などがある。

PAFCは実用化され業務用として国内外で導入されているが、家庭用として普及を期待されるのはPEFCだ。自動車用として開発され、小型化しやすく、起動・停止が比較的スムーズにできる。平均的な世帯で使う電気の約3 割を賄う能力がある。

近年の研究でSOFCが注目されるようになった。SOFCは、工場やビルなどの分散電源や家庭用燃料電池などの用途が期待されている。
産業用では、石炭火力発電にMCFCを併設し、排出されるC02を濃縮して回収するシステムの開発が、電力会社などにより進められている。
国は燃料電池バスの実証実験を実施しており、商用化か待たれる。PEFCを採用した鉄道車両や、電動車いすの開発も進められている。さらに、触媒に白金ではなく安価なニッケルなどを使う自動車向け新型燃料電池の研究も進む。低コスト化かできるため、普及に弾みを付ける技術として期待がかかる。

PEFC ( 固体高分子型燃料電池)

燃料電池は主に電解質の違いにより大きく4つに分類されるが、その中の1 つ。電解質と電極のサンドイッチ構造で電解質には固体高分子膜を使う。PEFCでは、水素イオンが電解質を通過して酸素と結合し電気を発生させる。
メタノールをそのまま用いることができるDMFCと燃料から水素を一度取り出してから使うPEFCの2種類がある。
PEFCの長所は装置を小型化でき、作動温度が70~100 ℃と燃料電池の中で最も低く、短時間で稼働できる点である。一方、発電効率は50 %前後と高温で稼働する燃料電池に比べて低い。技術やコストの面で課題は少なくないが、家庭用燃料電池としての普及が期待されている。

ドイツのフォルクスワーゲン( VW) は作動温度が120℃と高いPEFCを開発した。熱交換効率が上がるためラジエーターなど冷却装置の小型化ができると期待されている。

S O FC(固体酸化物型燃料電池)

燃料電池は主に電解質の違いにより大きく4つに分類されるが、その中の1 つ。電解質と電極のサンドイッチ構造で電解質にはセラミックを使う。SOFCでは、酸素がイオン化し、酸素イオンとなって電解質を通過し電気を発生させる。

SOFCは、約10 年前まで基礎的な研究開発の段階にあった。これまで大規模発電に適していると言われてきたが、近年の研究により、工場やビルなどの分散電源やコージェネレーション、さらに家庭用燃料電池への用途も期待されている。
発電効率が60 %以上と高いため、次世代の家庭用燃料電池の本命とも目されている。作動温度は600~1000 ことほかの燃料電池に比べて高い。しかし、作動温度の高さは排熱利用の用途が広がるなどの長所がある反面、起動時間が数時間~数十時間かかったり、高価な耐熱材料が必要になる欠点もある。大阪ガスは2007 年1 月、世界最小クラスの家庭用SOFCを開発した。

家庭の蓄電池

これからの時代は大きな震災への備えが重要になってきます。 停電などのトラブルが発生した際もスマートハウスなら蓄電した電気を使うことができます

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