企業の環境活動

製造業

製造業における環境活動の基本は公害防止。このほか、省資源・省エネ化、廃棄物削減・リサイクルなどが行われている。製造業は以下の3つに分類される。

基礎素材型産業・製造業のエネルギー消費の75 %を占め、主に公害対策に力が入れられている
・LCA 的な視野では、最終製品の環境改善に寄与する材料を供給することも基礎素材型産業の環境活動といえる。
加工組立型産業・LCA が積極的に採用されている。
・自動車、家電などのエネルギー消費機器ではトップランナー基準の達成が求められている。
・EU 圈へ輸出する製品はROHS 指令やWEEE 指令に適合している必要がある。
生活関連型産業・消費者が身近に接する製品が多く、エコマークやカーボン・フットプリントなど消費者に見える形で製品への環境配慮を行う企業が多い。
・食品産業界では食品リサイクル法に基づき食品廃棄物のリサイクルが行われている。

建設業

建設廃棄物は年間8,035 万トンにのぼり、産業廃棄物の約2割を占める(2013年度) ため、これらの抑制・リサイクル・適正処理が重要。
建物の環境性能を評価するシステム「cAsBEE」などを用い、環境配慮設計が推進されている。
建築時にはシックハウス症候群の原因となるVOC( 揮発性有機化合物) の削減、建物の解体時には現在使用が禁止されているアスベスト、PCB( ポリ塩化ビフェニル)、空調のフロンガスなどを適正に処理することが求められている。

運輸業

燃料の燃焼によるCO2や大気汚染物質の放出が環境負荷となる。運輸部門のCO2排出量は1990 年~1997 年の間に21.8 %増加したが、2001 年度以降は減少傾向にある。これは自動車などの輸送機器の省エネ化と、運輸業界によるエネルギー削減の取り組みによる。省エネ法では一定規模以上の事業者を特定輸送事うち49 %は自家用車によるものである(2014 年度)。

通信業

情報通信技術( に丁)を用いてC02を削減する「グリーンICT」が進められている。グリーンICTには以下の2種類がある。
①「ICT を利用したグリーン化( Green ICT)」: に丁によって人や物の動きを効率化し、エネルギー消蜀を削減する( 下表参照) 。 
②「ICT 自体のグリーン化( Green oflCT)」: ICT が使用する電力量を削減する。

エネルギー使用効率の改善ビルエネルギー管理システム(BEMS) 乙i・家庭用エネルギー
管理システム(HEMS)によりエネルギー使用を制御
高度道路交通システム(ITS)の活用による渋滞の回避
物の生産.       
消費の効率化・削減
サプライ・チェーン・マネジメントによる生産・物流の効率化
電子書籍・電子出版などによる紙消費量の削減
人・物の移動の削減テレワーク、TV 会議、オンラインショッピング、電子申請などによる業務効率化や移動のためのエネルギー削減

金融業

社会的責任投資(SRI)
やESG 投資il により、環境改善に取り組む企業に資金を供給する動きがある。SRI の1つであるエコファンドは、企業の財務面のみならず環境格付51 などにより環境面も評価して投資対象をスクリーニングした投資信託商品である。最近は特に優れた環境技術を持った企業に投資する公募型投資信託環境テーマファンドが増加している。また、行政や金融機関は、環境配慮行動に積極的な企業・個人へ有利な融資を行う環境融資(「エコカーローン」「エコ住宅ローン」など) を行っている。

第一次産業

農林業の衰退が、農地や山林の持つ食料などの生産以外の機能である多面的機能の弱体化を招いている。地域活性化の手法として6 次産業化などが試みられている。
漁業では、ニホンウナギやクロマグロなど希少な魚類の養殖を試みている。海沿いの林である魚つき林の整備なども漁場整備の試みとして行われている。

オフィスビルにおける省エネ

全業種にわたって行われているのがオフィスビルにおける省エネである。夏場のピーク時には空調用電力が電力使用量の約48 %、照明およびOA機器( パソコン、コピー機など) が約40 %を占めるため、これらの省エネが特に効果的である。

基礎素材型産業
産業の基礎素材となる製品を生産する産業。鉄鋼業、石油製品製造業、化学工業、プラスチック製品製造業など

加工組立工業
自動車、電化製品などの加工組立製品を制動する産業。

 生活関連型産業
衣食住に関連すら製品等を製造す6 産業。食品製造業、衣服製造業など。

 リーチイン/ウォークインショーケース
冷蔵・冷凍した状態で商品を陳列できる棚のうち、ガラス扉がついたもがリーチインショーケース加えて棚の裏側に空調された商品補充用の部屋がっいたものがウォークインショーケース。扉のない夕イプの冷蔵・冷凍ショーケースよりも消費電力が少ない。 
           
 生分解性プラスチック
微生物などにより自然界で分解されるプラスチック。
 
 特定輸送事業者/ 特定荷主
省エネ法ではT 定数以上の車両・船舶などを所有する輸送業者を特定輸送事業者、貨物の年間輸送量が3000 万t キロ以上の荷主を特定荷主とし、エネルギー使用実績の報告やエネルギー使用の合理化などを求めている。

 ビルエネルギー管理システム(BEMS) 
建物に設置された設備や機器の運転データ、エネルギー使用量を蓄積・解析することでエネルギT 消費量の最適化・低減を図るシステム。

 テレワーク
ICT を利用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方。働く場所によって、自宅利用型テレワーク、モバイルワーク、施設利用型テレ、ワークがある。

 社会的責任投資(SRI) 
企業の収益性のみならず、環境・人権・労働・差別などの社会的問題に対する企業の行動を評価し投資の可否を判断する投資行動。
     
 ESG 投資
ESG とはEn vironment( 環境) Sociat(社会) Govem ance( 統治) の頭文字を取ったもの。従来のSRI 投資の環境配慮・社会貢献に加え、企業統治が投資の評価基準となっている。企業不祥事の頻発により広まりつつある。
        
 環境格付
企業の環境問題への取り組みを第三老の格付け機関が評価・ランク付けすること。

 6 次産業化
 1 次産業( 農林漁業) の従事者が2 次産業( 力[]工) ・3 次産業( 販売) も手
 がけることで、地域の活性化や雇用創出などを目指す取り組み。
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