生物多様性保全の施策

生物多様性の保全

生物多様性条約を実行するために、1995 年に日本で最初の国家戦略として「生物多様性国家戦略si 』が策定された。2008 年施行の生物多様性基本法では、生物多様性国家戦略の位置づけを法的に明確にするとともに、地方自治体による『生物多様性地域戦略a 』の策定を促している。

重要地域の保全

生物多様性の保全上重要な地域は、各種法律により地域指定がなされている(自然環境保全地域、自然公園、鳥獣保護区、生息地等保護区、保安林、特別緑地保全地区など)。

自然環境保全地域と自然公園の指定・管理

自然環境保全法1;i 及び都道府県条例に基づく指定ほとんど人の活動の影響を受けることなく原生の状態を維持している地域として原生自然環境保全地域優れた自然環境を維持し ている 地域とし て自然環境保全地域乙l 、または都道府県自然環境保全地域を指定し、自然環境の保全や生物多様性の確保が図られている。
・自然公園の指定
自然公園とは、優れた自然の風景地として自然公園法に基づいて指定される地域で、環境大臣が指定する国立公園・国定公園都道府県知事が指定する都道府県自然公園がある。2016年9月には沖縄県のヤンバル地域が33番目の「やんばる国立公園」に指定された。

絶滅のおそれのある野生動植物種の保存に関する法律( 種の保存法)

絶滅のおそれがある野生動植物種の保存を図っている。
①国内に生息、または生育する絶滅のおそれのある野生動植物175 種(2016年3月現在) を国内希少野生動植物に指定し、捕獲・販売・譲渡・輸出入を禁止
②生息地など保護区の指定や保護増殖事業の実施

外来生物法

生態系などに被害を及ぼす外来生物51 を特定外来生物12 として指定し、その飼養、栽培、保管、運搬、輸入を規制。2006年10 月現在、132 種指定。
生物多様性国家戦略
・2012 年9月に閣議決定。自然共生社会実現のための基本的考え方、生物多様性の4つの危機、生物多様性に関する5つの課題を明らかにし、自然共生社会実現のための短期目標(2020 年) と長期目標(2050 年) を設定。愛知目標達成に向けたロードマップ。

生物多様性の4つの危機

第1 の危機:開発など人間活動による危機
第2の危機:自然に対する働きかけの縮小による危機
第3の危機:外来種など人間により持ち込まれたものによる危機
第4の危機:地球温暖化や海洋酸性化など地球環境の変化による危機

生物多様性に関する5つの課題

①生物多様性に関する理解と行動②担い手と連携の確保 ③生態系サービスでつながる「自然共生圈」の認識
④人口減少等を踏まえた国土の保全管理 ⑤科学的知見の充実

短期目標(2020 年) と長期目標(2050 年)

短期目標(2020 年):愛知目標達成に向けた日本の国別目標の達成を目指し、効果的かつ緊急な行動を実施
長期目標(2050 年):日本の生物多様性の状態を現状以上に豊かにし、生態系サービスを将来にわたって享受できる自然共生社会の実現・2020 年までの重点施策として次の5つの基本戦略の策定
①生物多様性を社会に浸透させる
②地域における人と自然の関係を見直し、再構築する
③森・里・川・海のつながりを確保する
④地球規模の視野を持って行動する
⑤科学的基盤を強化し、政策に結びつける

愛知目標達成に向けたロードマッフ

日本の国別目標(13 目標) と主要行動目標(48 目標)、達成状況を把握するための指標(81 指標) を設定。

行動計画

ロードマップの実現のための約700 の具体的施策及び50 の数値目標。

生物多様性オフセット

・開発などを行う際に生態系への影響を最小化することを検討したうえで、それでも悪影響を及ぼすおそれがある場合、汚染者負担原則(PPP)に基づいて別の生態系を復元または創造することで、生態系への影響を代償(オ
ブセット)しようとする仕組み。
・土地開発などによって失われた生態系を定量評価し、その影響を相殺するために、近隣に同様な質を有する自然環境を創造することで、開発行為の影響を最小限にとどめ、生物多様陛全体の損失をゼロにするノー・ネット・ロスを目指す。
・生物多様性オフセットをする場合、「生物多様性・生態系」に関して、開発事業により影響を受ける側と代償する側の質や価格等を同等以上にすること(ネットゲイン) が、損失を被る人々等との合意形成の上で重要な要素である。
・生物多様性オフセットはアメリカで始まり、現在ではEU 、オセアニア、北米、南米に広かっている。日本では環境影響評価制度りの今後の課題の一つとして検討の途上。





用 語
生物多様性国家戦略
生物多様性条約及び生物多様性基本法に基づき、生物多様性の保全と持続可能な利用に関する国の基本的な計画。

 生物多様性基本法
生物多様性保全とその持続可能な利用についての基本原則と方向を示す

 生物多様性地域戦略
生物多様性基本法は地方公共団体に策定を努力義務としている。2015 年度末で、35 都道府県、14 政令指定都市、48 市区町で策定。

 自然環境保全法
自然環境保全に関する基本的事項を定めた法律。1972 年制定。

 原生自然環境保全地域
人の活動の影響を受けることなく原生の状態を維持している地域(1,000ha 以上、島嶼は300ha 以上) 。

 自然環境保全地域
高山・亜高山性(1,000ha 以上) 、優れた天然林(100ha 以上) 、優れた自然環境を維持している湖沼・海岸・湿原・河川・海域(10ha 以上) など。

 国立公園・国定公園
 国立公園は、日本の景観を代表する風景地として環境大臣が指定した自然公園で国の予算で管理。国定公園は、国立公園に準じたすぐれた風景の場所を環境大臣が指定し、都道府県の予算で管理。

 国内希少野生動植物
本国内に生息・生育する絶滅のおそれがある野生動植物種。
 コウノトリ、卜半、オオタカ、イヌワシ、ハヤブサ、ライチョウ、ヤンバルクイナ、
 イリオモテヤマネコなどの175 種。

 外来生物
一海外起源の生物( 交雑によって生じた生物を含む) 。

 特定外来生物}
外来生物で在来生物(日本に本来の生息地または生育地を持つ)と性質が異なることにより生態系などに被害を及ぼし、まずは及ぼす可能性のある生物。カミツキガメ、ブルーギル、オオクチバスなどの132 種(2016 年10 月現在) 。

 ノ生物多様性国家戦略2012,2020 
 最初の国家戦略(1995 年) 策定後、「生物多様性国家戦略2012-2020」は5 番目の国家戦略。生物多様性基本法に基づく国家戦略としては2 番目となる。
                         
 汚染者負担原則(PPP) 
環境を汚染する者が、汚染の防止、環境の復元及び被害 補償に要する費用を負担するという考え方。             

 プ環境影響評価制度( 環境アセスメント制度) 
開発事業の内容を決めるに当たって、環境への影響をあらかじめ事業者が自ら調査・予測・評価を行い、環境保全の観点からより良い 事 業 計 画 を 作 り 上 げ る 制 度 

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