よく分かる環境法 大気汚染防止法

工場からのばい煙を規制アスベストやVOCも追加

工場や事業場から排出される「ばい煙」や「粉じん」を規制する。
大気汚染物質は拡散するので、複雑な規制体系になっている。
最近では、VOC規制やアスベスト規制の改正を実施した。

大気汚染防止法は、大気環境を保全し、国民の健康と生活環境を守ることを目的とした法律である。高度経済成長期の1960 年代に石油コンビナートなどから発生するばい煙や自動車排ガスによる大気汚染が進み、公害が社会問題になった。こうした状況のなか、大気汚染防止法は68 年に制定された。その後も、新たな大気汚染問題が現われるたびに改正が繰り返されてきた。

大気汚染防止法では、日本全国で環境基準を達成するために、大気汚染物質を排出する工場や事業場に規制を課している。具体的には、① ばい煙発生施設、② 揮発吐有機化合物(VOC) 排出施設、③ 一般粉じん発生施設、④ 特定粉じん( アスベスト)発生施設、⑤ アスベストに関する作業現場  の5施設が対象だ。規制対象の施設を設置、または作業をする場合には、事前に都道府県知事に届け出をしなければならない。2006年度の登録施設数は29 万4406 。なかでも圧倒的な割合を占めるのが、ばい煙発生施設だ。届け出施設数は21万8702 で、実に74 %を占める。

大気汚染物質を4 段階で規制

ばい煙とは、燃焼に伴って発生する物質のことを指し、具体的には硫黄酸化物(SO x) や窒素酸化物(NOx)、ばいじん( すす) など7物質が規制の対象になっている。これらを排出するボイラーや廃棄物焼却炉、ディーゼル機関など33 種類の施設のうち、一定の規模を超えるものは、排出口( 煙突) でのばい煙の濃度を基準値以下にしなければならない。

基準値は、施設の種類と規模によって詳細に決められている。例えばボイラーの場合、伝熱面1勣110m2 以上であることと、燃料の燃焼能力が重油に換算して1時間当たり50 ㍑以上の施設が規制対象だ。ここでいう伝熱面積とは、ボイラー内の水に熱を伝えるために火気や燃焼ガスにさらされる広さを意味し、蒸気の発生能力を表している。さらに、施設の規模を意味する排出ガス量で4万m3以上と4万m3 未満では基準値に差がある。

基本的には煙突での濃度で規制しているが、7物質のうちSO xだけは「K値規制」という方式を採用している。工場から発生したばい煙は、次第に拡散・希釈されながら地上に到達する。K 値規制とは、着地した時のSO xの最大濃度を一定の濃度以下に収めるように、煙突での排出量を煙突の高さに応じて規制しようというものだ。

ぱい煙の規制は、国が定める全国一律の規制だけでなく、施設の規模や工場の密集具合によって4段階で厳しい規制を追加して課すことができる。ベースとなるのが、国が定める全国一律の「」鼎卜出基準」である。

大気汚染が深刻な地域については、新設するばい煙発生施設に、国がより厳しい規制を課す「特別排出基準」
を設定できる。この二つの規制でも大気汚染防止が不十分な地域には、都道府県が条例でより厳しい規制を課す。これを上乗せ基準」という。さらに、個別の施設ごとの規制では対策が不十分な地域では、工場ごとに排出するぱい煙の総量に基準を設けている。これが「総量規制」である。

いくら煙突で濃度規制を課しても、排出されるぱい煙量が膨大だと大気汚染物質の絶対量は多くなってしまう。総量規制を課すことで、工場から発生する大気汚染物質の絶対量を減らす効果がある。大気汚染物質は、ひとたび大気中に放出されると、広範囲に拡散する。このため、水質や土壌の規制に比べて、複雑な規制体系になっているのだ。

V OC は新規制方式を採用

次に粉じんについて見ていこう。
粉じんとは、物の破砕や堆積などによって発生したり飛散する物質の総称である。特定粉じんは、アスベスト( 石綿)を指す。一般粉じんの規制は、濃度規制ではなく、ベルトコンベヤーや堆積場、破砕機といった発生施設の種類ごとに構造と使用管理基準を定めている。

アスベストに関しては、プレスや切断機といった発生施設と、アスベストを使用した施設の解体作業などアスベストにかかわる作業現場に分けて規制が定められている。アスベストは2003 年10 月から含有量が1%(現在は0.1 % に改正)を超える製品の製造や使用が禁止になった。このため、アスベスト発生施設数は減少を続け、2006 年度の届け出施設数は94にとどまった。
その一方で、アスベストを使用した建物などの解体作業は増加し続けているため、2006 年10 月に作業現場も規制対象にするよう改正された。

アスベストの排出規制は、アスベスト発生施設の敷地境界で大気1 到こ対してアスベスト繊維10 本以下と定められている。また、アスベストを使用する施設の解体や改造する現場に関しては、集じんなどの作業基準を定めた。

アスベストのほか、VOCに関する規制も2006 年4月に始まった。 VOCは排出された時に気体である有機化
合物のことであり、代表的な物質にはトルエンやキシレンがある。 VOCの規制は、Cまい煙や粉じんとは規制の体系が異なる。大規模な工場に関しては濃度規制を課すものの、小規模な施設については企業の自主的な削減
努力に任せている。 これまでの大気汚染防止法は、すべて全国一律で規制を課してきたが、規制の方式が変わ
ってきているのだ。

環境省水・大気環境局大気環境課の米田和広課長補佐は、「規模の大小を問わず全国一律で規制を課さずに、各業界の自主性に任せても全体での削減効果は十分に高まることがわかったため」と説明する。
大気汚染防止法では、ベンゼンやトリクロロエチレンなど具体的な排出規制がない234 の有害物質を減らすための指針も盛り込まれている。

これらの有害物質は厳格な規制がないにもかかわらず、削減効果が上がっている。これを受けて、VOC規制でも小規模工場は自主的な取り組みに任せることにしたわけだ。 VOCを排出する印刷業界や塗装業界などが、業界ごとの自主基準を設定し、削減に取り組んでいる。

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