生物多様性の危機

急速に失われている生物多様性

・過去に生物の大量絶滅は5回あった。平均では1年間0.001 種絶滅。
・現在の生物の絶滅速度は大きく、1975 年以降1 年間に4万種程度絶滅。
・「ミレニアム生態系評価」によると、化石からわかる太古の時代の絶滅速度は100 年間で100 万種当たり10 ~100 種絶滅。過去100 年間の絶滅速度は100 万種当たり5,000 種。過去と比較して絶滅のスピードが増していると指摘。

野生生物種絶滅の現状

・世界の現状:国際自然保護連合(IUCN) のレッドリストE;i によると、既知の約175 万種のうち、約8万種についての評価の結果、約23,000 種を絶滅危惧種として選定。
・日本の現状:日本で確認されている生物種の数は約9万種。環境省のレッド3次レッドリストから441 種増加。日本の野生動物は依然として厳しい状況

野生生物種減少の原因

直接的な原因として以下のことが指摘されている。
①生息環境の変化:大規模な開発や森林伐採による生息環境の破壊、地球温暖化や化学物質などによる環境汚染による生息環境の劣化
②生物資源の過剰な利用:魚などの乱獲
③外来種の侵入:大型で競争に強い外来種の侵入による食物連鎖のバランス崩れや在来種との交雑による遺伝子のかく乱
④水質汚濁など過度の栄養塩負荷  ⑤ 地球温暖化などの気候変動
「種の宝庫」といわれ6 熱帯林では、非伝統的な焼畑耕作、過剰放牧、商業的伐採、森林火災などによる生息地の減少が進んでいる。
・象牙や毛皮の採取や密漁などにより多くの野生動物が絶滅の危機にある。
・途上国の貧困や急激な人口増加、豊かな生活の追及などの問題が背景にある。

日本の生物多様性の危機の構造

日本の生物多様性の危機には、次の4つがある。これらの危機は進行している

第1 の危機: 人間活動や開発による危機( 開発などによる種の減少・絶滅、生息・生育空間の縮小・消滅など)
第2 の危機: 自然に対する慟きかけの縮小による危機( 人口減少など社会経済の変化に伴う、自然への人の慟きかけの縮小による里地里山などの鸚の変化)
第3の危機:人間により持ち込まれたものによる危機( 外来種や化学物質など)
第4の危機:地球環境の変化による危機( 地球温暖化や海洋酸性化など)

生物多様性のモニタリング

・自然環境保全基礎調査:植生や野生動物の分布など自然環境の状況を調査。
・モニタリングサイト1000 : 全国の様々なタイプの生態系について1,000 力所程度を目安として調査サイトを設置し、生物種の減少など自然環境の変化状況について、長期にわたり継続的なモニタリングによりデータ収集が進められている。





用 語
国際自然保護連合(IUCN) 
1948 年設立。国や政府機関、NGOなどが参加。地球の自然環境、生物多様性の保全などを実現するための政策提言環境問題を知るなどを目的とする。
                             
 レッドリスト
絶滅のおそれがある野生動植物種のリスト。
 自然環境保全基礎調査-「緑の国勢調査」と呼ばれている。陸域、陸水域、海域の現地調査から、全国の動植物の分布、植生、干潟、藻場、サンゴ礁の現状を調査し、生物多様性に関する基礎情報を収集。
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