生物多様性に対する国際的な取り組み

国際協力の枠組み

①ラムサール条約
1971 年、イランのラムサールで採択。 19乃年に発効。
・水鳥の生息地である湿地とそこに生息・生育する動植物の保全が目的。
・日本では釧路湿原、尾瀬、琵琶湖など50 か所が条約湿地として登録(2016年9月現在)。
②ワシントン条約
1973 年、アメリカのワシントンD.C.で採択。1975 年に発効。
・絶滅の危機にある野生生物の国際取引を規制する条約。約3万種力り寸象。
・日本は1980 年11 月に批准し締約国となった。
③世界遺産条約
1972 年に採択。 1975 年に発効。事務局はユネスコ管轄「世界遺産センター」
・文化遺産及び自然遺産を人類全体のための世界の遺産として、損傷・破壊等の脅威から保護し保存するための国際的な協力・援助の体制確立が目的。
・締約国の分担金からなる遺産保護のための「世界遺産基金」を設立。
・「文化遺産」「自然遺産」「複合遺産」に分類される。
・登録されている世界遺産は1,052 件(165 か国)(2016 年9月)日本では、文化遺産16 件、自然遺産4件の20 件。

生物多様性条約

1992 年5月、国連環境計画(UNEP)Ej の会合で採択。 1992年6 月、地球サミッ卜で署名開始。日本を含む157 か国が署名。
・生物多様性の包括的な保全と持続可能な利用を促進するため、次の3つを目的としている。
①生物多様性の保全
②生物資源の持続可能な利用
③遺伝資源の利用から生じる利益の公正で衡平な配分
・締約国は、生物多様|生の保全と持続可能な利用を進めるために、国家戦略の策定、重要な地域や種の特定とモニタリング、保護地域の指定管理等を行うことになっているほか、先進国による途上国への資金・技術支援などが定められている。

バイオセーフティに関する「カルタヘナ議定書

近年バイオテクノロジーの進展により、生物の遺伝子を人為的に組み換え、病害虫に強い農作物や新たな医薬品の開発が可能になっている。
・一方で、遺伝子組み換え生物の利用には、食品としての安全|生、野生種との競合・交雑による生物多様性への影響など、解決すべき課題が残っている。
・生物多様性保全と遺伝子組み換え生物について、遺伝子組み換え生物の国境を越える移動に関する手続き等を定めた国際的枠組み「カルタヘナ議定書」が、2000 年コロンビアのカルタヘナでの会議で採択、2003 年9月発効した。
・カルタヘナ議定書では、バイオテクノロジーにより改変された生物(LMO)が、生物多様性の保全及び持続可能な利用に悪影響を及ぼすことを防止するための措置を規定。
・日本はこの議定書を受けて 2004 年に「カルタヘナ法」が施行された。

地球規模生物多様性概況a 第3版( GB03)

2010 年5月に公表された
・1‾2010年目標」の21 の個別目標は、地球規模での達成は一つもない。
・生物多様性を保全する取り組みは増加したが、その一方で生物多様性への圧力は増加し続けているため、生物多様性の損失は続いている。このまま生態系が自己修復できる臨界点「ティツピング・ポイント」を超えた場合、生物多様性の劇的な損失と広範な生態系サービスの低下が生じる可能・陛が高いと警告。

生物多様性条約第Io 回締約国会議(COP10)と新たな目標

2010 年10 月、「いのちの共生を未来に」をテーマとして名古屋市で開催。以下が採択された。

①「戦略計画2011-2020」
「2010年目標」に代わる新たな世界目標として、今後10 年間にとるぺき道筋を示す。
(a)ピジョン(中長期目標2050 年):自然と共生する社会
(b)ミッション( 短期目標2020 年):生物多様性の損失を止めるために効果的かつ緊急の行動を実施する
②「愛知目標S」:具体的な20 の個別目標
③「名古屋議定書」:遺伝資源へのアクセスと利益配分(ABS) に関する国際的な枠組み
④「SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ」の発足

生物多様性条約締約国会議CO P11 とCO P12

①COP11(2012 年、インドのハイデラバードで開催)途上国等における生物多様性に関する活動支援のための資金を20 巧年までに倍増させる目標が合意。
②COP12(2014 年、韓国の平昌( ピョンチャン) で開催)「地球規模生物多様性概況第4版(GB04)」が発表され、「戦略計画2011-2020」と愛知目標の中間評価が行われた。ほとんどの目標について、その達成には施策が十分でなく、目標達成に向けて緊急で効果的な行動が必要であることが確認された。





ワシントン条約
生体だけiごはなく、剥製や皮革製品などの加工品も規制対象。
 国連環境計画(UNEP) -1972 年国連環境会議で採択された「人間環境宣言」及び「環境国際行動計画」を実施するための機関として設立。ナイロビの本部のほか、世界に6 つの地域事務所がある。ワシントン条約、ウィーン条約、バーゼル条約、生物多様陛条約などの事務局として指定されている。

 カルタヘナ議定書
遺伝子組み換え生物( LM O:Li vjng Modilied Organis m) の輸出入にあたり、事前に輸入国に通報し合意が必要などを規定。

 地球規模生物多様性概況
GBO(Globa1 Biodi versity Outlook) 。生物多様性条約事務局が地球規模で条約の実施状況を評価した報告書。

 ティッピング・ポイント
Tipping point. 生態系が自己修復できる臨界点。それを超えると急激に生態系の状態が変化して別の平衡点に至る。

 愛知目標
「戦略計画2011-2020」における中長期目標( ビジョン) の実現を目指し、短期目標を達成するための20 の個別目標。

SATOAM Aイニシアティブ国際パートナーシッフ
生物多様性を保全するためには、農業や林業等の人間の営みを通じて形成・維持されてきた二次的自然環境( 里地里山) の保全も重要であるとして、日本が提1昌し発足した
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