環境用語の か行 Ⅱ

環境経営指標

環境負荷の削減が効率的に行われ事業経営にどう影響しているのかを把握する指標が必要となり, それが環境経営指標である。
環境負荷削減と経済価値創出の両立という環境経営の成果を定量的に把握し, 評価するものである。定量的評価を行うために投資や費用を経済効果や物量効果と比較分析する。経済効果としては, 電力などのエネルギー使用料, 廃棄物処理費などの削減量を集計し, 物量効果としては, エネルギーのC02排出削減量, 水使用削減量等を集計する。評価項目としては企業の生産物に左右されるが, 資源生産性, 地球温暖化防止, 廃棄物削減などである。

環境経営情報システム

企業や団体が, 企業経営や環境経営上のデータを収集・入力し, 環境経営の観点から分析や報告資料を作成するシステムをいう。収集するデータは, 資源投入とC 0 。廃棄物の排出量, 環境コストと環境効果などの投入と産出のデータがある。作成する資料には, 社内での管理用に加え, 対外的に環境報告書,ISO ( 国際標準化機構) の環境マネジメントシステムに沿ったデータ, 環境会計などがある。

それぞれの作成資料に合わせて, 計算ロジックを組み込んだ各種ソフトが市販されている。環境経営を実施するうえで, 不可欠のシステムである。

環境減税

地球温暖化の原因である二酸化炭素の排出量を削減するために, 設備投資で省エネを達成した家庭や企業に実施される減税。2009年, 東京都は「東京版環境減税」を発表した。対象は「地球温暖化対策報告書」を提出した資本金1億円以下の中小企業で,空調,照明, 給油設備など省エネ設備に対し,環境局の認定により,設備の取得価額の50 %(上限1,000 万円)を取得年度から減免。ただし,当期税額の2分の1 を上限とし,残額は翌年度税額から減免可能。対象期間は2010 年3月31 日から5年間。次世代自動車の導入促進税制では自動車税・自動車取得税の免除。2009年度から2013 年度までに新車新規登録した電気自動車とプラグイン・ハイブリッド車が対象。

環境広告

環境マーケティングの一環として展開される広告のことで, グリーン・マーケティング広告とも呼ばれ, 円滑な環境コミュニケーションのツールとして注目されている。環境広告は① 自社の開発製品がどれだけ環境保全に役立つのかを示すもの, ②環境問題に関する一般的な情報を伝えることで環境にやさしいライフスタイルを呼びかけるもの, ③企業の環境に対する社会的責任を示すために環境問題に対する自社の理念や環境事業などをアピールするもの,に分類される。企業や商品のイメージアップのためだけのあいまいな環境主張(「環境にやさしい」「地球にやさしい」など)に対しては,ISO によって国際基準を決める動きもある。

環境効率

環境効率とは, 生産効率に対比していわれる環境重視の概念のことである。エアコン・電球・冷蔵庫・照明器具・蛍光灯などの機器について環境効率の指標が標準化されている。最小の資源投入で最大の生産を達成する考え方。

W BCSD (T he W orldBusiness Council for S ustainable Developm ent) は環境効率を( 製品もしくはサービスの価値) ÷ ( 環境への影響) と定義している。企業活動のなかでの環境負荷と経済価値の創出を最大化することが環境効率の向上を意味している。環境効率の算出のベースになる公式は企業により異なる。
N EC やソニーでは売上高÷ 個別環境負荷量を基本として算出している。環境負荷の削減と経済価値の創出と費用対効果を測ることができる。

環境コミュニケーション

環境問題にかかる多様な利害関係者間における情報共有や対話を図り, 問題の解決や未然防止などに結びつけようとすることをいう。『環境白書』では環境コミュニケーションを「持続可能な社会の構築に向けて, 個人, 行政, 企業, 民間非営利団体のパートナーシップを確立するために, 環境負荷や環境保全活動などに関する情報を一方的に提供するだけでなく, 利害関係者の意見を聞き,討議することにより,互いの理解と納得を深めていくこと」としている。この背景としては, 環境保全が地球上に住むすべての人びとに利害関係を及ぼす義務として求められていることにある。  

環境自治体

自治労の自治研中央推進委員会が1991 年にまとめた「環境自治体をめざして」と題する報告書で使われた造語。政策や活動についてエコロジカル診断を行っている自治体とされる。自治体のなかに環境委員会の新設など「自治体運営の環境10 原則」などが提案されている。企業を対象とした環境診断は以前から市民グループなどが行ってきているが, 自治体においてはこの年からはじまった経緯がある。市民1 人当たりのゴミの量やエネルギー自給のための対策がとられているかどうかなど,およそ数十項目の環境度を測る指標が作られているが, モデル自治体にどのようにあてはめていくかなどの課題が残されている。

環境支払意思額

環境改善に対してまた環境悪化を回避するために支払っても構わない金額のことであり,「支払意思額( W mingness to Pay :W T P )」や「補償余剰( Com pensating S urpl us)」と呼ばれる。環境に対する経済評価は, 環境価値を貨幣価値換算して評価するこ
とである。そうすることで, 費用便益分析に取り込んで活用することも多い。

従来, 環境評価は自然科学的な評価に終始していたが, 環境問題への意識が高まるにつれ, 環境に対する経済的評価への社会的要請が高揚している。とりわけ, 公共事業への厳しい批判が社会問題となり, チェック機能を有する費用対効果の把握手段として経済的評価を導入しようという動きがある。

環境情報

環境に関連する極めて広範囲の情報が包含される。情報とは人の判断, 意思を左右し,決定するためのすべての事象であり, 環境情報に限れば意味をもつ記録であり,データである。社会的責任投資について意思を決定しなければならない投資家にとって必要な環境情報は,検討対象となる企業における環境マネジメントの状況記録,その企業の環境パフォーマンスの数値データ,その企業の環境リスクに関する科学的考察記録等である。これらの環境情報は環境報告書に記載されており, その企業のホームページからも得ることができる。消費者, 株主,近隣住民等のステークホルダーも,これらの環境情報を基にその企業を評価し,判断し,その意思を左右することになる。

環境ステークホルダー

ステークホルダーとは, 企業などの組織にかかわる利害関係者を指す。環境ステークホルダーとは, 企業活動によって生じるさまざまな環境問題にかかわるすべての利害関係者で, 従業員・取引先・金融機関・投資家一行政関係者のほか地域住民・消費者・マスコミなど,あらゆる利害関係者を含む。近年, 企業の社会的責任が重視され, 環境ステークホルダーに対し, 環境負荷や環境保全活動等に関する情報を提供するだけでなく, 互いに対話を図って理解を深める「環境コミュニケーション」が求められている。国際標準化機構(ISO )は,環境コミュニケーションに関する規格(IS014063 )を発行している。

環境戦略

環境を保全し, 持続可能で公平な社会の実現のために策定される長・中期的な方針。計画, 戦略のこと。長期的視野・複合的思考に立ち。環境保全および持続可能な社会に関する所期目標を達成するために総合的な調整を行い, 資源を効果的に運用する技術・理論も意味することがある。つまり, 環境に関する, 総合的・体系的な調整が行われる中長期的な計画ということができる。民間企業, すなわち経営の分野においては,CSR (CorporateSocia1R esponsibiliyt= 企 業 の 社 会 的 責 任 ) の 一 環 と し て こ れが掲げられることが多い。わが国の行政の分野では, 環境基本法15条に基づき策定される環境基本計画などがこれに相当しよう。

環境適合設計

環境配慮設計ともいい,製造に際して,設計,生産, 運搬, 使用, 廃棄および再利用までのすべての段階における環境負荷を可能な限り低減させること。ライフサイクルアセスメントに基づいた設計ともいえる。環境マネジメントシステムの国際規格IS014000シリーズが2004 年に改定された際に,製造事業が直接管理できなくても影響を及ぼすことができる環境側面, たとえば使用時, 廃棄時における環境負荷などもマネジメントの対象となった。そのため,製品のライフサイクルの管理も要求されるようになり, 環境適合設計の必要性が高まった。 IS014000 シリーズではIS014062 で環境適合設計(DfE)について規定している。

環境的に持続可能な交通

( 経済協力開発機構) が1990 年代に提案した「長期的な視点で環境面から持続可能な交通を踏まえて交通・環境政策を策定・実施する取り組み」に端を発する。地球温暖化防止の取り組みとして, 日本でも京都議定書による削減目標((1990 年度比マイナス6 % ) 達成のため, 特に, 自動車からの二酸化炭素排出量の抑制が不可避である。そのため, ハイブリッド車の利用促進,バイオ燃料やクリーンエネルギー車など化石燃料からの脱却, 公共交通機関の利用の推進ならびに, 貨物自動車の大型化。鉄道貨物や海上輸送へのシフトなどのさらなる対策が必要である。

環境パフォーマンス

企業などが環境に配慮した活動を行った結果, どれだけ環境負荷を削減できたかということ。具体的には, 環境汚染物質や廃棄物の削減, 省エネルギー, 資源消費の削減, リサイクルなどをどれだけ達成したかで示される。企業が環境パフォーマンスを自己評価するための指標が「環境パフォーマンス指標」で, 環境省が「環境報告ガイドライン」のなかで示している。また, 国際標準化機構(ISO ) はIS014031 ( 環境パフォーマンス評価) のなかで,環境状態指標について, 絶対値で示す場合と基準年に比較して相対値で示す場合を示している。

環境ビジネス

環境への配慮や環境負荷の軽減をビジネスチャンスとし,顧客満足を高めつつ収益をあげていく事業活動をいう。環境省環境ビジネス研究会報告書(2002 年) によれば, 産業活動を通じて環境保全に資する製品やサービスを提供したり,社会経済活動を環境配慮型のものに変えていくうえで役に立つ技術やシステム等を提供するものとされる。 OECD によれば, 環境ビジネスは環境汚染の防止, 環境負荷低減の技術, 製品・資源の有効活用の3分野からなる。環境省は2020 年の環境ビジネスの市場規模を58 兆円と推計している(2003 年推計)。今後,技術革新の進展や法規制の強化, 市場(企業・消費者・投資家など)のニーズ変化などから, 一層の成長が見込まれる。

環境報告書

企業活動に伴う環境への負荷や環境配慮の取り組み状況,その成果などを事業者が定期的に公表した報告書の総称。環境保全に関する方針・目標・計画,環境マネジメントに関する状況(環境マネジメントシステム, 法規制遵守, 環境保全技術開発など)。環境負荷の低減に向けた取り組みの状況(C02排出量の削減, 廃棄物の排出抑制等)などを取りまとめたもの。

報告書を通じて事業活動における環境への配慮に関する説明責任を果たすことで,社会からの信頼を得ることに役立つ。環境省によって環境報告のガイドラインが制定されたことで,報告書を作成・公表している企業は年々増加しており,監査法人やNPO などの第三者が内容を審査している事例も多くみられる。

環境保全型漁業

今日の漁業には, 海洋生態系の維持や海洋の環境保全を図ることが強く求められている。このため, 食物連鎖系に悪影響を与える海洋環境の汚染はもちろん,特定の魚介類の乱獲や過剰な保護などを避けつつ, 再生産が可能な資源の量を残しながら, 余剰部分を漁獲していくことが求められている。このように海洋の環境を守りながら,しかも安定的な漁獲量を維持するために,一定の量のみを漁獲していくのが環境保全型漁業である。海洋生態系に対する理解に加えて, 漁獲技術の革新,作業環境の向上を図るための技術。漁船の最適化といった諸技術・方策も。環境保全型漁業の重要な分野である。

環境保全型農業

有機物の土壌還元等による土作りと合理的な作付体系を基礎とし, 化学肥料や化学合成農薬の適正な使用, 節減により, 環境保全と生産性に調和をとり, 環境負荷の軽減に配慮した持続性の高い農業。一一言でいえば,「環境に優しい農業」である。その主な具体例として,〔土作り〕① 堆肥の利用: 家畜糞の堆肥の施用で,化学肥料に代わる栄養分の供給。② 土壌改良資材の利用: 土壌病害を除去。木炭の使用。〔病害虫防除〕① 天敵の利用: 害虫を捕食し, 農薬散布回数を減少。② 熱利用の土壌消毒: 土壌に熱を加え, 有毒動植物の駆除。〔雑草防除〕① 機械除草: 機械を用いて雑草駆除。② 除草用動物利用: アイガモ・コイを水田に放し, 雑草駆除。などが考えられている。

環境目標

IS014001 の要求事項のなかには環境目的と環境目標を設定することが定められている。
環境目的とは, 環境方針から生じる全般的な環境の到達点であり, 組織が自ら達成するように設定し,可能な場合には定量化されるものである。それに対し, 環境目標は, 環境目的から導かれ, その目的を達成するために目的に合わせて設定される詳細なパフォーマンスの要求事項であり, 実施可能な場合に定量化され, 組織またはその一部に適用されるものである。また, 環境目的が5 年程度の期間を対象にするのに対し,環境目標はその年に達成すべき到達点である。近年は, CSR ( 企業の社会的責任) 活動の一環として環境目標を位置づけ, 実践する企業もある。

環境モニタリング

モニタリングとは, 継続的に監視・観測・調査を行うことで,環境モニタリングは大気や水質などの環境指標を継続的に観測することを指す。たとえば, 各自治体では「大気汚染防止法」に基づき,窒素酸化物(NO。) や硫黄酸化物(SO よ浮遊粒子状物質(PM) などの大気汚染物質のモニタリングを行っている。

また,生物種の増減や人間活動による影響を継続的に調べることもモニタリングの1つである。近年は,地球規模の環境問題に対応するため,温暖化やオゾン層破壊,酸性雨などの観測のため世界的なモニタリングネットワークが構築されている。人工衛星を利用してのリモートセンシング(遠隔調査)によるモニタリング技術も進んでいる。

環境リスク

化学物質等による環境汚染が人, 動植物の生息,生育に悪影響をもたらす危険性をいう。環境汚染の悪影響を未然に防ぐためには,環境リスク評価とそれに基づく対策が必要になる。環境リスクは,当該化学物質の有害性とその暴露量で決まる。暴露量は,化学物質の生物体内への進入経路と接触量で決定される。有害な化学物質を,環境リスクとそのベネフィットを把握したうえで使用し,管理していくことを環境リスク管理という。これに基づいて化学物質に関する政策が決定される。有害な化学物質には多くの関係者が関与しているので, 正しい情報を共有するためのリスクコミュニケーションが大切である。 

共同実施

「京都議定書」の第6 条に規定された温室効果ガス排出量削減を国際的な協力によって達成するための仕組みである「京都メカニズム( 柔軟性措置)」のひとつ。先進国同士が技術や資金をもち寄り, 温室効果ガス排出量削減や吸収量増加に対するプロジェクトを共同で実施した結果として生じた排出量の削減分の一部を, 投資した国が自国の数値目標達成のために, 自国の排出削減単位(E mission Reduction Unit : ERU ) として獲得することができる制度である。その主な目的は, 先進国によって異なる温室効果ガス削減の技術や資金共同で事業を実施することによって補完し, 削減を容易にすることである。 

京都議定書

1997 年12 月に京都で開かれた「気候変動枠組み条約第3 回締約国会議」で採択され2004 年に発効。先進国に対しC02やメタンガス・フロンガスなどの温室効果ガス排出量を削減することを義務づけている。

目標値は欧州連合(EU )全体で8 % ,米国7 % ,日本6 % , ロシアO % (2008 年から2012 年までの平均で,1990年比) など。なお, アメリカはその後, 経済発展を妨げるとして離脱。京都議定書には温暖化ガス削減のための経済的手法( 京都メカニズム) として先進国が途上国に資金, 技術を支援し, その削減量を先進国が取得する「クリーン開発メカニズム」や先進各国間で割り当てられた排出権を売買する排出量取引などが認められている。

共有資源

コモンズとほぼ同義語。この言葉が使われるきっかけとなったのは1968 年キャレット・バーディンがサイエンス誌に書いた論文「The Tr agedy of Com m ons : 共有地の悲劇」である。同論文では, 誰の所有にも属していない牧草地では, 飼主は牛を増やそうと共有資源である牧草を, 個人利益のために大量消費してしまい, 共有資源が崩壊してしまうと指摘する。こうした共有資源における最大利潤の追求が環境劣化を引き起こしている。地球環境問題も共有資源の適正管理が行われていないために発生する外部不経済であり, 共有資源の規制や調整なども不可欠である。

クリーナー・プロダクション

工場の生産効率の改善により環境負荷を減少させる産業環境管理手法のひとつである。「全体的な資源利用効率を上げ,人間や環境に対するリスクを低減するために, 生産工程,製品,およびサービスに対して, 統合的な未然防止の環境戦略を継続的に適用することである」と定義される。

クリーナー・プロダクションは,生産工程そのものを見直すので,初期投資は必要だが運転資金は減少する。その結果, 環境改善と生産性の向上を同時に達成できるというものである。クリーナー・プロダクションを行うためには,問題点を発見し, その改善方法を検討し, 目標を設定するといった,管理者のマネジメント能力が必要である。

グリーンIT

有量の最小化やIT 機器そのものの製造・流通, 利用, 廃棄段階における省エネ, リサイクルなど, 地球環境への負荷を低減させる取り組みを意味する。 IT は業務の効率化や産業構造の転換を促し, 環境負荷の低減にプラスの働きをもっが, その一方で,IT自体が消費する電力量などが問題視され,IT そのものの環境への影響を軽減する試みも重要となった。

たとえば,IT の代表的製品であるパソコンでは, すでに多くのメーカーが, 環境配慮設計のためのガイドラインを準備し, 有害物質の含有量削減やリサイクルの推進などの面でグリーンIT への対応を進めている

グリーン・インベスター

投資対象を選択する際に,企業の環境配慮行動を考慮する投資家。いい換えると, 環境問題に対して十分な取り組みを行っている企業の株や債券を買いたいという投資家である。グリーン・コンシューマー(環境に配慮した製品を購入する消費者)に対する言葉。このグリーン・インペスターを拡大するための支援策も登場している。その一例がエコファンドである。

これは,環境対策に積極的に取り組み, 自らエコビジネスを展開する環境関連優良企業(エコ・エクセレントカンパニー) を対象とし,従来の投資基準だけでなく, 環境への取り組みも考慮して企業の銘柄の株を買う投資信託である。1999 年には, 日興証券が「エコファンド」の販売を開始し,その後も広まりを見せている。

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