
地球の生い立ち 地球の基礎知識
地球の生いたちを知りましょう
地球のおいたりは原始の地球には酸素はほとんどなかった。
シアノバクテリアが光合成を始めて地球上に酸素が供給され始めたが、その酸素のほとんどが海水中の鉄分と反応して鉄鉱床の形成に使われた。鉄鉱床の形成後、大気中への酸素供給が増加した。
大気中の二酸化炭素は、海水中に大量に溶け込み、石灰岩を形成した。この結果、大気中の二酸化炭素濃度は減少した
地球と生物進化の歴史
時期 | 発生事項 | 概要 |
46 億年前 | 地球誕生 | 灼熱のマグマの状態 |
約40 億年前 | 原始の海に最初の生命体( 原始 バクテリアi;i)が誕生 | 大気中、海中に酸素はほとんどない。 原始バクテリアは嫌気性生物 が中心。 |
約27 億年前 | 大気圏の外側に磁気圏が形成 シアノバクテリア1;iが光合成 を開始 | 生物が海面付近でも生息可能になる。 海中に酸素が供給され始め、酸素濃度の 増加とともに好気性生物が繁栄し始め る。 |
約20 億年前 | 鉄鋼床が形成される | 酸素は海水中の鉄分と反応し、大量の鉄 を沈殿・堆積 |
約6 億年前 | オゾン層の形成 | オゾン層が生物に有害な紫外線tj を吸収 し、生物が陸上へ進出 |
約5 億年前 | 植物が陸上へ進出 | オゾン層が生物に有害な紫外線tj を吸収 し、生物が陸上へ進出 |
約4 億年前 | 動物が陸上へ進出 | オゾン層が生物に有害な紫外線tj を吸収 し、生物が陸上へ進出 |
約6500 万年前 | 恐竜の絶滅 | 哺乳類の時代が始まる |
約20 万年前 | ホモ・サピェンスが誕生 | |
250 年前 | 産業革命 | 工業化により環境汚染が始まる |
45億年前に地球が誕生して私達人類の歴史はわずか20万年です。
たった20万年でこの地球を破壊するほど汚れた地球になろうとしています。
地球のことをモット考えましょう

地球の様々な資源
地球上には、化石燃料をはじめとしたエネルギー資源のほか、ベースメタル、貴金属など、我々の生活に不可欠な貴重な資源が存在している。
化石燃料は、古代の大量の生物( プランクトン、樹木など) が土中がヒ石化に生成されたもので、現在、エネルギー源として最も多く使われている
地球に存在する資源
種類 | 資源 |
エネルギー資源 | 石油、石炭、天然ガス( シェールガス含む) 、メタンバイトレート、ウ ランなどで、油田、鉱山などの地下に埋蔵 |
レアメタル (希少金属) | コバルト、マンガン、ニッケル、タングステンなど 産業の発展に欠かせないもので、存在量が少ないか、または抽出する ことが技術的に困難な金属 |
ベースメタル (コモンメタル) | 鉄、銅、亜鉛、アルミニウムなどの金属 産業を支える金属で、大量に使用され、生産量も多い |
貴金属 | 金、銀、プラチナ、パラジウム、ロジウムなど 希少かつ高価で腐食に強い金属で、産業用、宝飾用に使用される |
地球の基礎知識 用語集
原始バクテリア
バクテリアとは細菌のことで、単細胞の微生物。原始の海には酸素はほとんどなかったので、原始バクテリアは嫌気性生物であった。
嫌気性生物
酸素が存在すると死滅する生物と、酸素の存在に関係なく生存できる生物の総称で、多くは細菌である。
磁気圈
地球内部の核の主成分である鉄が磁石のように働き、地球を包むようにできる磁場の領域。太陽風など地球外からくる有害な放射線を防ぐ働きをする。
シアノバクテリア
藍藻ともよばれ、光合成によって酸素を放出する真正細菌の仲間。最も古い光合成生物のひとつと考えられてい。
光合成
植物が太陽光を利用して、大気中の二酸化炭素と根から吸収した水を原料に無機炭素から有機物( 糖類) を作り出し、その過程で酸素が放出される作用をいう。
好気性生物
生存、生育に酸素を必要とする生物。
オゾン層
オゾンは酸素原子が3個からなる化学作用の強い気体。地上から約12 ~50km の成層圏には大気中のオゾンの約90 %が集まってオゾン層を形成し、生し物に有害な紫外線を吸収している。一方、地上付近のオゾンは光化学オキシダン卜などの主成分として人体に有害である。
十
紫外線
太陽光線には、可視光線、紫外線、赤外線が含まれている。紫外線は生
物に有害な光線で、日焼けや皮膚がんの原因となる。有害な紫外線はオゾン層で
吸収されて、地表にはほとんど到達しない.
大気の構成
大気圏は4層からなり、各層の働きは下表の通り。
高度 | 働きなど | |
熱圈 | 約80km ~ | ・生物に有害な× 線や紫外線を吸収 ・オーロラが見られる |
中間圈 | 約50 ~80km | ・流星、夜光雲が見られる |
成層圏 | 約12 ~50km | ・オゾン層が生物に有害な紫外線を吸収 |
対流圏 | O~ 約12km | ・生物に必要な酸素や二酸化炭素を供給 ・温室効果ガス( GHG)により生物に快適な気温を保持 ・気象現象( 雲、降雨、風など) の大部分がこの層で発生 |
大気の成分比率( 容積) は、地表から高度約80kmまではほぽ一定で窒素78.1% 、酸素約21.0 % 、アルゴン約0.9 % 、二酸化炭素約0.04 % および水蒸気・その他から構成されている。
対流圏の下肢地表から高度約lkm( 緯度により異なる) の大気を大気境界圈と呼び、我々の生活の場であり、種々の気象現象の発生空間として、環境を考える上で重要な大気である。
大気中に含まれる温室効果ガスの温室効果によって、地表の気温は現在の生物の生存に適した温度に保たれている。
大気の循環
大気は、熱で暖められて地表から上空へ、低緯度( 赤道近く) から高緯度( 極地方) へと運ばれる。この大気の動きが複雑に重なり合って、地球規模の大気のの水の循環の原動力の役割も果たしている。
大気の主な役割
① 生物の呼吸に必要な酸素と光合成に必要な二酸化炭素を供給。
② 温室効果により地表付近を生物が生活できる適度な気温に保つ。
③ オゾン層が生物に有害な紫外線を吸収し地表に届かせない。
④ 大気循環により熱や水を地球規模で移動させ気候を和らげる。
⑤ 宇宙から飛来する唄石を摩擦熱で消滅させ地表に届かせない。
水の資源と海洋
水資源
地球上には、固体、液体、気体の3つの状態の水が存在しているが、ほとんどが海水である。淡水はわずか2.5 %しかなく、またその大部分は極地などの氷河や地下水で、生物が利用できる淡水は地下水の一部と湖沼や河川にある水のみとごくわずかである。
水循環には物質としての「水の循環」とエネルギーとしての「熱の循環」の側面がある。
<水の循環>( 自然の淡水化プラントの働き)
海⇒ 蒸発⇒ 大気中の水蒸気⇒ 雨、雪⇒ 地下水、湖沼、河川⇒ 海
<熱の循環>( 天然のエアコン装置の働き)
大気の千倍の熱容量をもつ海水や湖沼・河川に蓄積された熱が気体、液体、固体と状態を変え、温度差とともに状態変化に伴う熱( 潜熱:蒸発熱や凝固熱など) となり、その熱が低緯度から高緯度に移動し、地球の温度を平均化させること。
川の役割
川の水量は非常にわずかだが、生物の存在に重要な役割を果たしている。
①生物の生態系の維持、生活・農業・工業用水、水力発電等に水資源を供給。
②土中の栄養分( 窒素、リン、カリウムなど) を海に運び、海の食物連鎖をとおして海洋における生態系を維持。
地下水
地下水は、世界の平均滞留時間がが約600 年と長く、一度全量汲み上げると再度満杯にするまで600 年かかるというほど枯渇しやすい水資源である。地下水は、生活用水、産業用水として使われているが、滞留時間、帯水層の状態、地下水脈の状況をよく把握して使用することが重要である。
地下水は、嗇重な水源である。現在日本では、生活用水の約22 %、工業用水
の約28 %、農業用水の約6 %を地下水に依存している。これは日本人が使用し
ている総水量の12 %にあたる。
海洋の循環
海洋には熱と物質を運搬する作用として、海面表層部の循環と熱塩循環がある。
<海面表層部の循環>
海上を吹き渡る大気境界層の風と海面との摩擦によって海洋の表層部が引きずられて動く海流の循環で、親潮、黒潮、北大西洋海流などがある。海面表層部の循環の主な働きは以下の通り。
・栄養分を海洋の広域に運搬することで海の生態系を維持。
・水温や流れの方向が周辺の海域、陸域の気候の安定や変動をもたらす。
<深層循環( 熱塩循環、海洋大循環) >
極周辺で冷やされ、氷結で塩分濃度が高くなった海水は密度が大きくなり、海域の表層から深層へと沈み込み、海洋の深層を1000 年以上もかけて巡り、密度が低くなったら再び表層部へ浮かび上がり、極地方へと戻る循環をいう。
・地球規模での超長期的な気候の安定と変動に深く関与。
炭素循環と海洋の二酸化炭素貯蔵
地球上の炭素は、生物体内、大気、海洋間7 相互に移動・交換・貯蔵を繰り返しながら循環している。この炭素循環の収支は地球温暖化の重要な指標である。
産業革命以前の二酸化炭素発生量は年間9 億トンであったが、産業革命以降は人為的な二酸化炭素の排出によりさらに89 億トンが追加された。その結果、人為的に発生した二酸化炭素の年間蓄積量は、海洋に23 億トン、陸上に26 億トン、大気に40 億トン追加されている。
海洋は、表層で大量に二酸化炭素を吸収するとともに生物ポンプ の作用により中・深層に二酸化炭素を大量貯蔵している。産業革命以降、海洋には約1,550億トンと、大量の炭素が蓄積されているといわれている。このように海洋は、大量の炭素の吸収源、貯蔵庫として働き、大気中の二酸化炭素濃度の増加を防止している。
海洋の役割
①地球上( 地上生物) に不可欠な淡水の供給源。
②海洋生物の生存・成長の環境を与え、海洋資源を育成。③海流などの循環により物質の移動および熱移動による気候の安定。
④二酸化炭素を吸収・貯蔵( 海洋表層の吸収、生物ポンプの作用)。
水の資源と海洋の用語集
滞留時間一水循環における滞留時間とは、水1 分子が海や大気などのリザーバーに 滞留する平均時間
密度ー海水は水温と塩分濃度により密度が変わる。水は4 ℃ が最大密度、さらに塩分濃度が高くなると海水の密度はさらに大きくなる。
生物ポンプー大気の二酸化炭素濃度を安定させるうえで重要な役割を果たしている海洋の二酸化炭素吸収メカニズムの一つ。表層で海水の溶け込んだ二酸化炭素は植物プランクトンの光合成に利用され、食物連鎖を通して海洋生物の体となり、その遺骸は海洋の中・深層部に運ばれ、大半は溶存無機炭素として蓄積される。この一連のプロセスを「生物ポンプによる二酸化炭素の貯蔵機能」と呼ぶ。
海洋の酸性化一大気から吸収する二酸化炭素が増大すると海洋の酸性化は増大する。大気中の二酸化炭素濃度が増加すると海洋の二酸化炭素吸収量も多くなる。
海氷―大気と海水を遮断し両者の熱交換を妨げる。また太陽光の反射率が海面の4~8倍高いことから、海氷の増減は気候の変動の大きな要因となる。
エルニーニョとラニーニャー南米ペルー沖の太平洋赤道域で見られる現象。エルニーニョは海面水温が平年よりも高い状態が続き、うニーニャは逆に海面水温が低い状態が続く。これらが発生すると、日本の南方海域の海面水温も変化し、冷夏、暖冬( 猛暑、厳冬) が生じるなど、世界中で異常な天候が発生する原因と考えられる

森林と土壌を考える
森林と土壌は陸上の生態系を形成する母体である。土壌は有機物を分解して無機物へ還元し、植物はこの無機物を栄養分として炭酸同化作用で動物の食料を生産し、体内に炭素を固定することで自然の物資循環を支えている
森林の役割
現在、地球上の森林面積は約40 億ha で、陸地面積の約30 %である。国連食糧
農業機関(FAO) によると、人の活動により2000 ~2010 年の間に520 万ha/ 年
の森林が減少した。
日本は、森林面積が約2,500 万ha で、国土面積の66 %を占める森林大国である。
日本は南北に長いので、亜熱帯林から亜寒帯林まで存在する。
森林の8つの機能
機能分類 | 要素群 |
地球環境保全機能 | 地球温暖化の緩和、地球気候システムの安定 |
土砂災害防止・土壌保全機能 | 土砂流出防止、土砂災害防止など |
水源涵養機能 | 洪水緩和、水資源貯留、水質浄化など |
快適環境形成機能 | 気温調節、塵埃吸収、快適生活環境形成 |
保健・レクリエーション機能 | 療養、保養、レクリエーション |
生物多様性保全機能 | 遺伝子保全、生物種保全、生態系保全 |
文化・教育機能 | 景観・風致、学習・教育1 伝統文化など |
物質生産機能 | 木材、食料、薬品その他の有用資源の生産 |
熱帯林
熱帯林: 地球環境の維持に重要な役割をはたしている赤道周辺に分布し、地球上の森林面積の約4割を占める。
熱帯林は降水量や気温の状況によって4つに区分されている。
①熱帯多雨林、②熱帯モンスーン林、③熱帯サバンナ林、④マングローブ林
熱帯多雨林は、南米のアマゾン川流域やアフリカなどにある森林で、地球上で最も多くの生物が生育し、活発な光合成により大量の酸素を供給していることから「地球の肺」「野生生物の宝庫」「生物資源、遺伝子資源の宝庫」と呼ばれている。
マングローブ林は、熱帯および亜熱帯地域の沿岸の河口部のように淡水と海水が入り混じるところに生育する森林で、淡水と海水の両方の生態系が共存した生物多様性に富む森林である。また、漁業や防災にも重要な森林である。
土壌の役割
①植物に根を張らせ、農作物や木材資源の成長を支える。
②土壌生物g;i の働きで土壌中の有機物を分解し、植物に養分を供給する。
③物質循環の過程で、大気中の二酸化炭素を炭素として蓄える。
④水を浄化し、水を蓄える。
⑤陶磁器や建材の材料や、土木・建築物の土台や基礎材料となる。
森林と土壌を考える用語集
土壌 土は岩石が風化して細かくなったものであるが、土壌は、土と土のソ
中で活動する土壌生物とその働きで作られた有機物を含んだものである。
水源涵養機能 樹木と土壌が一体となり雨水の貯留や流出を調整する機能。
森林は緑のダムと呼ばれるが、これは落葉の覆われて厚くなった土壌が雨水を貯留や流出を調整する水源涵養機能を有することから名付けられたもの
土壌生物 土壌の中に生息している細菌などの微生物やミミズなどの土壌動物のズ
総称。土壌生物は土壌中の枯葉や動物の死骸な。どの有機物を分解して植物の栄養分にする

生物を育む生態系
生態系
生態系は、生物同士が関係し合うことによって各々の生命を維持する複雑なシステムである。豊かな自然環境には多様な生態系の存在が必要である。
生態系は自浄作用や自己調節機能などの自己を復元する力があるが、この復元力には限界がある。限界以上に破壊された生態系は復元が困難になる。
生態系は、「生産者」と「消費者」の2種の生物で維持されている。
生産者:光合成で栄養分を作る⇒植物と原牛牛物界の植物以外の生物など
消費者:他の生物から栄養分を得る⇒動物、分解者など
生態系を維持する様々な関係
生態系では、生物は生き残るために下記に示す様々な関係を持っている。
<食物連鎖・食物網>
生物同士の「食う~ 食われる」の連続した捕食被食関係を食物連鎖といい、互いに生態的地位( ニッチ) 維持しながら食物網を形成している。
食物連鎖の関係を生物量で図にすると主角形状を示す。これを「生態系ピラミッドとよぴ、段数が多いほど生態系は豊かである。
<腐食連鎖>
腐食連鎖は、腐食系と分解系の生物に関する食物連鎖で、生食連鎖で排出された腐敗した動植物、排泄物などの有機物を摂取することから始まる食物連鎖をいう。すなわち、腐食系生物は遺骸や排泄物などの有機物を食べて無機物化し、分解系生物は捕食系・腐食系生物の死骸や排泄物を分解し、植物の栄養分を生成する。
<種間競争>
種間競争は種の間で餌やすみかを奪い合う行動をいう。競争に負けた生物は絶滅もある。競争状態を回避する行動が「食い分け」、「すみ分け」である。近年、在来種と外来種1:;iの種間競争が問題になっている。
<共生関係>
異なる生物が密接な関係を持って活動することを「共生」という。
「相利共生」…双方が利益を得る関係⇒アリとアブラムシ
「片利共生」…片方が利益を得、他方は利害なし⇒カクレウオとフジナマコ

生物濃縮
環境に漏出した化学物質は、食物連鎖の各段階を経るごとに生物の体内で汚染物質 濃度を 増力[し] ていく。
こ れを「 生物 濃縮」 といい、生態系ピラミ ッド の上位ほどその影響を受けやすい。昭和30 年代に発生した水俣病は、工場排水中の有機水銀が食物連鎖で魚に高濃度で濃縮し、それを食べた人間が発症したもの。
里山
里山は、原生的な自然環境と都市との中間に位置し、農林業を営む集落とそれを取り巻く雑木林、萱場、溜池、農地などから形成されている。
里山は、その地域特有の生物の生息・生育環境を有し、食料や木材などの自然資源の供給、良好な景観、文化の伝承の観点からも重要な地域である。
現在、里山は、人口の減少、高齢化の進行、産業構造の変化から荒廃が進んでいる。その結果、持続可能な利用形態が失われ、地域の生物多様性にも悪影響が生じている。
このような里山を保全することを目的に、「SATOYAMAイニシアティブ」が推進されている。
生物を育む生態系 用語集
分解者 生物の糞や死 骸を分解して栄養分を作る生物一般に土 壌生物をさす。
食物連鎖 食物連鎖は大きく捕食系腐食系分解系に分,バ考えられる .
捕食系では、捕食 被食、寄生関係によって栄養段階の上位に物質、エネルギーが供給される。また食物連鎖を生食連鎖と腐食連鎖に分ける考え方もある。生食連鎖は、生きたままの動植物を摂取することから始まる食物連鎖で、捕食系の食物連鎖が該当する。腐食連鎖は、腐食系、分解系の生物が落葉、枯葉、死骸など分解する食物連鎖である。
生態的地位( ニッチ) 各生物種は、種間競争などの結果により生態系のなかでそ
れぞれの種の生活場所および役割が決められる。
これを生態的地位という。
生態系ピラミッド一生物の個体数に着目した個体数ピラミッド、生物量に着目し
た生物量ピラミッド、生物生産力に着目し:だ生産力ピラミッドなどもあるが、い
ずれも食物連鎖の上位ほど少ないピラミッド型となる。
外来種 一般に「外来種」とは国内外を問わず、従来生息・生育していた生態系か
ら別種の生態系に移動し、そこで生息・生育する生物種をいう。その中で、移動
先の生態系などに深刻な影響をあたえるものを特に侵略的外来種とよぶ。一方、
「外来生物」という表現は法律用語として使われていることが多く、この場合は海外か
ら持ち込まれた外来種をさす。
生物相 環境を同じくする場所または地方に生活しているすぺての生物の種類。
SATOTAMA イニシアティプ 環境省と国連大学高等研究所が推進する試み。里山
が、人の福利と生物の多様性の両方を高める可能性があることに着目し、土地と自然資源を最適に利用・管理することを通じて人間と自然環境の持続可能な関係を目指す取り組み。

地球環境と資源
資源利用と環境
資源の利用は、天然資源の採取、精錬、製造、消費、廃棄といったライフサイクルのあらゆる段階で環境負荷を伴う。例えば、資源の採取・採掘では金属資源と一緒に関与物質( 鉱石・土砂など) が排出されるが、その総量( 関与物質総量)も大量で、これによる大規模な土地改変が問題となっている。
また、金属の精錬時には大量エネルギーの消費と温室効果ガスの放出という環境問題がある。
世界の資源利用の動向
2004 年における鉱物資源の年間利用総量は、全世界で約220 億トンであり、1世紀の間に8 倍に増加した。また2050 年には現在の3 倍になると予測されている。
資源は有限である。表に示すように現時点での資源の可採年数はその多くが100 年を下回っている。
また需要の伸びが大きなレアメタルについても可採年数は50 年程度で、近い将来の枯渇が予想されている。このような状況のもと、使用済み金属の回収・リサイクルは重要な課題である。
主要資源の可採年数
分類 | 項目 | 可採年数 |
汎用金属 | 鉄鉱石 | 70 |
汎用金属 | 銅鉱石 | 35 |
汎用金属 | 鉛 | 20 |
汎用金属 | スズ | 18 |
汎用金属 | 銀 | 19 |
汎用金属 | 金 | 20 |
化石燃料 | 天然ガス | 63 |
化石燃料 | 石油 | 46 |
化石燃料 | 石炭 | 119 |
レアメタル | マンガン | 56 |
レアメタル | クロム | 15 |
レアメタル | ネッケル | 50 |
レアメタル | タングステン | 48 |
レアメタル | インジウム | 18 |
循環資源の利用と資源確保
人類はこれまで大量の資源を採掘してきた。その結果、金、銀、亜鉛などのようにこれまで採掘した資源量( 地上資源) が、現在採取可能な鉱山の埋蔵量( 地下資源) より多いものもある
資源輸入国である日本は。都市鉱山から使用済み金属の回収・リサイクルなどを介して資源の有効利用をはかる循環型社会の構築を推進している。このー環として、2013 年に小型家電リサイクル法を施行し、小型家電製品の再資源化を促進している
レアメタルの安定供給に向けた総合的な戦略( レアメタル確保戦略)として2009年、経済産業省は、①海外資源の確保②リサイクル③代替材料開発④備蓄 の4つをあげている
経済成長とデカップリング
一般に資源の消費は経済成長とともに増加すら.資源は有限であり、- -
でもデカップリングの取り組みが必要である。現在、資源の消費が急増しているのは途上国であり、全世界で資源の消費を減らしていく必要がある。
都市鉱山一現在ゴミとして大量に廃棄されるIT 製品、家電製品などの中に存在する有用な資源(金属、貴金属、レアメタルなど)を鉱山に見立てたものである。